羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

How dare you!と言う前に(プラスティックごみその4)

  • 2019/10/17
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国連気候行動サミットで、グレタ トゥンベリさんは「How dare you!」を連発しました。 https://www.youtube.com/watch?v=_y8JNG7S0bo 地球温暖化に対する各国の取り組みが不十分で、「何もしないでいるなんて、よくもそんなことができるわね!」と各国の温暖化対策の不備に対する激越な批判演説でした。主旨はごもっともですが、同じ環境問題で、地球温暖化以外に、私たちの地球にはこの他にも解決が難しい環境問題が有ります。温暖化以外に、マイクロプラスティックの問題があります。そしてオゾン層の破壊の問題だってあります。環境問題は温暖化だけではありません。

それでも、環境問題に注目を集めた、という点で応援を致しましょう。

プラスティックごみの問題については何回も書きましたが、親油性の表面に海水中の油性の「残留性有機汚染物質(POPs)」を吸着して集め、食物連鎖で大型魚類や哺乳類に取り込まれて毒性を示します。POPsは、先進国が自然界に排出した毒性化学物質が消滅せずに残っている物です。一方プラスティックごみは、先進国も後進国からも排出され、今は後進国のごみ排出量が増えています。

地球温暖化とは、温室効果ガスが増えることで、地球から宇宙に向かって放出される熱量が減って、大気温度が上がることです。温室効果ガスは、自然界が出すものと、人類が出すものの和です。人類が出す温室効果ガスは、種類別では炭酸ガスが72%、メタンが20%、酸化窒素が5%です。発生源別の分類をすると、火力発電所が26%、工業が16%、自動車が13%、木材を燃やす12%でこれらは炭酸ガスです。次が牧畜によるメタンが12%です。発生源は先進国も後進国も同じように出しているのではないでしょうか。

人類が新たに作り出す温室効果ガスは、火山の噴火、山火事、腐敗した動植物の出すメタンガスなど、自然界の出すガスに加わります。この結果、大気温度が上昇中なので、人類が出す分を減らそう、とするのが現在行われている炭酸ガスの排出規制運動です。

オゾン層の破壊は、有害な紫外線が地表に達っするのを増やして、皮膚がんの原因となります。すでに、オゾン層を破壊する原因がフロンガスなどの塩素やフッ素を含むガスによるものとして、これらのガスの使用が禁じられています。1990年代の末には対策の効果が見えてきて、このままの努力によって半世紀後には解決されると言われています。

ここからが本題です。

温暖化とマイクロプラスティックごみの人類への影響を比べてみましょう

地球温暖化とプラスティック問題は、両方共に、今は怖さを感じませんが、それは今の内だけで、いずれは人類に向かって牙を剥きます。これ等が解決可能か、将来にどのような災いを残すか、の観点で順を追って説明します。

(1) 発生する障害

温暖化による障害:気候の変動による風水害や気候変動による砂漠化、海水面の上昇による陸地の減少など、食糧問題に影響します。食糧生産量が増える所もあり、減る所も有ります。多くは悲観的な結果が予測され、アフリカなどで餓死者が増えることでしょう。

プラスティックごみによる障害:POPsによる環境ホルモンの影響で、人類を含む動物の出生率の低下と内臓障害や奇形の原因となります。食料となる魚類や家畜類が減ることによる食料不足も起こるでしょう。

紫外線:皮膚がんが恐ろしくないとは言えません。放っておけば転移しますし、過度の紫外線はシミの原因になります。

(2) 対策

原因が分かれば、対策は可能かもしれません。

温暖化の対策:

原因の72%の炭酸ガスを出さねば良い。炭酸ガスの発生源は火力発電所と工業生産と自動車です。まず化石燃料を燃やさない様に、電気の使用量を減らし、自動車をEV化した上で、本当に必要な時だけ使用すること。次に、発電のエネルギーを、原子力発電と、火力と、水力を含む自然エネルギーがそれぞれ3分の1ずつ分担し、スマートグリッド上手に使うことが理想です。しかし、原子力発電は閉鎖後の後始末が大変ですが、動かさずに取っておいても危険性が下がるわけでもないので、今後は作らない事にして再稼働して使い続ける。再稼働の際は、安全対策の科学的な評価を議論した上で行う。年間約7兆円以上の火力発電の燃料代の内で、原子力発電で浮く数割を原子炉閉鎖の研究開発費に投資するのが、次善の策です。この技術の取得は、後世に役立つでしょう。この他にも、火力発電の高効率化、バイオマスの導入など発電技術の開発は、輸出により世界の炭酸ガス生成量を減らします。いま、高い電気代を払うことが、温暖化を救う事の一助になります。

ちなみに、太陽電池を作るエネルギーと電池が壊れるまでに生み出すエネルギーとの差、つまり生涯エネルギー損益率は意外に低く、壊れるぎりぎりまで使う必要があります。風力発電設備も同じことで、製造にはエネルギーが必要です。電気自動車EVも発電した電力を使うことを忘れてはいけません。
自然エネルギー発電は炭酸ガスを出しませんが、気象の影響を受けて発電量が不安定です。発電のし過ぎも起こるわけで、使い切れない分を水素にしたり蓄電池に貯めたり、と新技術開発と共にこれらを増やすのが、大切です。従って、ガスを出さない様な生活にすることと、技術開発で温暖化はいずれ抑えることが可能であり、経済的利益の有る対策は受け入れられる、と著者は期待します。

 

プラスティックごみの対策:捨てられた1個のPETボトルが微細化すると倉庫一杯のボトルと同じ表面積になります。親油性の表面に海中のPOPsを吸着して化学物質を濃縮します。POPsは残留性有機汚染物質と呼ばれる様に、安定で自然界ではなかなか分解されません。生物に取り込まれれば、吸着したPCBやDDTの一部を体内に放出し、再び体外に排出された後に再びPOPsを吸着して、これを繰り返します。つまり、マイクロプラスティックは殆ど消滅しないで次々と生物の体内にPOPsを運び込みます

POPsを運ぶマイクロプラスティックは紫外線を浴びれば分解しますが、減る量はわずかで、プラスティックごみはどんどん増えています

(3)人類への影響

温暖化:数世代後には人類は温暖化に対処する事ができるようになるでしょう。

プラスティック:魚や動物の脂質から人間はPOPsを取り込み、脂肪として蓄えます。脂肪が代謝されると、POPsは排泄されるか、毒物として害を及ぼすか、別の脂肪に取り込まれます。あるいは偽ホルモンとして生体に影響することも有ります。妊娠すると女性は自分の脂肪を胎児に与え、母乳のとして乳児に与えます。この結果、女性は体内のPOPsの大部分を輩出することになりますが、POPsは次代に受け継がれます。

また、胎児は第一次性徴のときにPOPsから偽ホルモンの作用を受けることになります。これについては、「環境ホルモン、内分泌かく乱物質」をお調べください。いずれにせよ、今後、POPsが自然界で分解されるまでその影響を受けることになります。しかしながら、POPsの元となる農薬等は低価格で残留性が強いことから、現在も後進国では使われており、減る可能性は有りません。

この様に、プラスティックとPOPsによる障害は世代を経ても引き継がれることでしょう。いつそれが終わるか分かりません。今後これ以上POPsの濃度が増えると、成人に対しても内蔵障害が起こるかもしれません。地球温暖化の問題は、放っておいても技術的にも経済的にも実施可能ですが、POPsは世界中で努力が必要です。これ以上のPOPsを吸着したマイクロプラスティックを増やしてはなりません。

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