羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

鉄輪式リニアモーターカーとその磁界

リニアモーターカーには、既に7つの線で営業運転されている鉄輪式リニアモーター車両と、最高時速603kmの現在工事中のリニア中央新幹線の磁気浮上型の2つが有ります。後者については、2019年8月30日に「リニアモーターカーの磁界」として書きましたが、内容を調べ直したところ既に営業運転されている鉄輪式リニアモーターカーを見つけました。大江戸線には良く乗りますし、横浜グリーンラインにも何回か乗っています。常々大江戸線はちいさいな、と思っていましたが、わけが分かりました。と、いうわけで、昨年の8月30日の磁気浮上式を訂正した上で、ここでは皆さんも乗れる鉄輪式リニアモーターカーについて書きます。

鉄輪式りにあもーたーかーは東京の大江戸線、横浜のグリーンライン、大阪市高速電気軌道長堀鶴見緑地線、大阪市高速電気軌道今里筋線、神戸市営地下鉄海岸線、福岡市地下鉄七隈線、の計7線で実働中です。この方式は、車両側には車上コイルが有り、モーターは有りません。コイルの下に狭い隙間でリアクションプレートと呼ぶ鉄板を置きます。車両側のコイルはVVVF(注)インバータで作る3相交流電力で駆動され、プレートに生じる渦電流の磁界との相互誘導でけん引力を発生します。減速時は車上コイルに流れる電流を制御することで回生ブレーキも可能です。モーターが無いので軽量小型で坂道に強く、地下鉄車両ではトンネルを小さくできる長所が有ります。車上コイルとプレートの隙間がロスを生むので、効率はモーター式より若干悪くなります。電力はレールと架線から供給されるのはモーター付車両と同じです。コイルとプレート間の隙間で生じる漏れ磁界はロスなので、極力小さくしてあり、車体側の設計を遮蔽構造にしておけば客室への漏洩を防ぐことが可能です。

鉄輪式の優れた点は、車輪が滑る事が無いので坂道に強いこと。左右の車輪の間を結合しておく必要がないので、レールが急に曲がる部分でも楽に曲がれてレールと車輪が滑るきしみ音がしないこと。が有ります。トンネルを小さくできる利点と合わせて、過密な都市内での使用に適します。ただし、モーター付の車両との連結はこれらの長所を打ち消しすので、既存の線との結合に若干の難が有ります。

(注: Variable Voltage Variable Frequency VVVFは、パルス幅を変化させるPWM方式で交流電力を作ります。この、電圧可変、周波数可変の交流電力を車上コイルに印加します。)

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