羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

北朝鮮ミサイルに対する電磁波を使った防御について

2月12日の朝刊1面トップに、自衛隊が北朝鮮ミサイルに対する防御措置として、これまでの対空ミサイルによる防御に加えて、電磁波による方法を開発するとの記事が載りました。1面と2面に有った防御方法とは、地表とミサイルとの間の通信を妨害する電磁波をこちらから送り、ミサイルの軌道を狂わせることです。電磁波を送るにあたって課題が有ります。これは地球が球で有ることから、水平線(地平線)以下に電磁波が届かず、妨害ができません。

ここで、ミサイルの打ち上げには二つの発射方法があります。最も遠くまで飛ぶ45度に比べて上に向けるのがロフテッド、下に向けるのがディプレストの軌道です。二つともに、遠くへは飛びませんが防御する側には難しくなります。

ロフテッド軌道に打ち上げられると最高高度は4000kmに達し、防御側は頂点の高度まで対空ミサイルがとどかず、地表近くでは高い高度から速度を付けて落下してくるので、対空ミサイルを命中させるのが難しくなります。ディプレスト軌道は頂点が数10kmと低く、頂点を過ぎてからでも発射基地から誘導をして、最終段階で変則的な動きをするので、これも対空ミサイルで撃ち落とすのが難しい。という問題が有ります。

二つの打ち上げ方法に対して、防衛省は電磁波を使って北朝鮮ミサイルを妨害する方法を開発することになりました。この方法は、ミサイルの発射直後の地上とミサイルの間の飛行制御信号を妨害するものです。ロフテッド軌道に対しては、日本からの妨害が可能です。しかし、ディプレスト軌道は高度が低いので、日本からは水平線の下に隠れて電磁波が届きません。そこで自衛艦に電波妨害装置を積むことで対処するとのことですが、難しい点が有ります。それは、揺れる艦から非常に細い電磁波のビームを遠方まで届かせるには、大きなアンテナを揺れない様に制御する必要が有るからです。

自衛艦にはすでに衛星通信用に、大型アンテナを揺れない様に制御する技術があり、イージス艦のレーダー用フェーズドアレイアンテナもこれと同じ機能を持つもので、技術的には実用化されています。この妨害装置の場合は、ミサイルの電子部品を焼き切る必要は無く、小電力の通信を妨害するだけなので、意外に効果的なのかもしれません。

この妨害電波を使う方法は、ドローンに対する防御用としても実用化を目指しており、同根の技術と言えます。

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