羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

第5世代携帯電話5G (5Gが少しだけ実現されました)

2020年3月23日にAU、25日にドコモ、27日にソフトバンク、と国内でも5Gサービスが開始されました。発表では限られた地域で、となっていました。2025年でもまだ店舗の中や、駅の周辺などの限られた地域しか使えません。それでは、技術的な課題がどこに有るのか、どうやって解決するのか観てみましょう。

5G実現で電磁波に関わる者として気になるのは、基地局と電話器との通信距離をどのくらいに見積もるかです。長ければ基地局数は減るし、短ければ極数が増えてコストがかかることになります。
総務省のサイトに有った2018年4月のドコモの資料「5Gサービス展開イメージ」https://www.soumu.go.jp/main_content/000549664.pdf によれば、まず、基地局のカバーする半径は100mです。4Gの3.6GHzの場合の2~3kmに対して、同じ面積をカバーするのに基地局数は理論的に400~900倍必要になります。現状の全キャリアの4Gサービス用の基地局数は、2018年8月の総務省の資料によれば、574,500局あります。従って、主要キャリア3社では2億~3億局となり、国民一人当たり3つの基地局が必要となります。これは極めて異常なことで、実際には起きないでしょう。この数は、日本中どこでも5Gを使うと言う仮定ですから、将来にわたっても5Gは限られた地域にしかサービスされず、山奥で5Gのサービスを受けることは無いでしょう。もしサービスを受けたいなら、そこまで光ファイバーを持ってくることです。

それでは、この沢山の基地局が必要になる、と言う課題に対して、キャリアがどの様な計画なのでしょう。左の写真は、AUの最初の5G基地局開設の記念写真です。丸い棒は支柱で、下の方の四角いのがアンテナです。このアンテナはアクティブフェーズドアレイアンテナと呼び、任意の方向に向けて電磁波のビームを向けます。この機能を使って、アンテナはユーザーに向けて個々に電磁波のビームを当てて、送受信を行います。右の写真のその様子を描きました。なぜこのような機能を持たせるかと言えば、基地局のカバーする範囲を半径100mにして、広い帯域を必要とする5Gの通信を同一基地局内で、複数ユーザーが使える様にするためです。
皆さんはタイムシェアリングと言う言葉をご存知と思います。これは一つの信号周波数の中で、複数のユーザーが時分割で同じ周波数を使う方法です。この5G の場合は、空間を分割して、時分割と合わせて同じ周波数を使うことです。これにより、右の写真の様に一つのアンテナが複数のユーザーに向けて電磁波のビームを向けて、個別に通信を行う様子です。アンテナは送信と受信を同じ原理で行い、このアンテナ技術をビームフォーミングと呼びます。

このビームフォーミングは、殆ど軍事技術で、このアンテナを固定したままでビームを動かす技術は、左の写真のイージス護衛艦(写真中央の8角形の板状の部分)やF2戦闘機に使われています。5Gアンテナがスパイに盗まれないように気を付けなければいけませんね。

この技術によって莫大な数の基地局を少しでも減らそうとしているわけです。さらに大事なことは、ビームフォーミングはスマホを使っている人にだけ電磁波を向けるので、使っていない人は電磁波の被曝が無くなることです。ただし、これは5Gの通信を行っている時であって、通話に使う時は3Gが使っていた低い周波数域で4G方式の通話をするので、脳の被曝を免れませんし、おそらくビームフォーミングを使わないから、基地局周辺の電磁波は減ることが無いでしょう。

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