羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

地球温暖化(その13) CO2悪者説の良いところ(排ガス浄化レース)

 温暖化の犯人として炭酸ガスが挙げられていますが、この結果、炭酸ガスを減らす技術の発展を促しています。逆説的ですが、この結果行われている技術開発が、地球や人類にとって良い結果をもたらそうとしています。一つは化石燃料の利用効率が上がって、燃料コスト低減と限りある資源の浪費を減らす効果が有ります。もう一つは炭化水素を使わない技術の開発です。
 例えば、水素燃料発電です、これは化石燃料を使わず、太陽エネルギーを使って水素を作り、発電につかいます。これにより、化石燃料の使用がなくなり、今まで滞っていた太陽エネルギー使用技術への投資がおこなわれる様になりました。
もっと身近なのは1963年の米国の大気浄化法の成立と、マスキー法とも呼ばれる大気浄化法の改正案1970年に成立したことで、厳格な排ガス規制が実施されたことです。これとは別に、1965年に米国でラルフ・ネイダー氏が発端となって、いわゆるマッスルカーと呼ばれる完成度の低い米国製の自動車の安全性に対する批判が興り、70年のマスキー法へと繋がりました。
 マスキー法により、排ガス改善のノウハウを殆ど持たない世界中の自動車メーカーが、一斉に排ガス浄化のレースを始めました。本田宗一郎は、1968年当時は噂であった排ガス規制に対応するため、としてこの年に第1期のF1参戦活動を中止して、排ガス浄化レースに参戦しました。このレースは見事にホンダが勝利して、1972年にCVCCを搭載したホンダ・シビックが売り出されて、一気にホンダの売上を伸ばし日本メーカーの実力を世界中に広めることになりました。

 これ以来、排ガス規制技術は燃費低減競走と名を変えて、自動車の重要な評価基準となっています。現在のF1レースや耐久レースは全て厳格に燃料の使用を制限しており、化石燃料の使用量を減らす技術に直結します。50年前は乗用車の都内実用燃費が5㎞/リットル程度でしたが、現在は同じクラスの乗用車は4倍かそれ以上になっています。
 現在でもエンジンのエネルギー変換効率は改善を続けています。1876年のニコラス・オットーのエンジンの変換効率は17%と言われます。2014年時点では30%程度で、30/17=1.76で76%改善されています。しかし、最新のメルセデスベンツのF1エンジンは50%を越えていると言われます。最新のトヨタ・プリウスが40%前後ですから、F1の50%は驚異的です。
 エンジンの効率の改善速度を計算すると、オットーエンジン→2014年型エンジンの改善速度は、76%/138年=0.55%/年です。2014エンジン→プリウスは、10%/6年=1.7%/年ですから、最近の技術進歩は驚異的です。これは、最近の自動車会社がハイブリッド車の動力を改善するために、機械工学だけでなく、化学、電子・電気工学、物理学、材料工学、制御工学、などの最先端科学を集大成したからです。
 武漢ウィルス騒ぎで、世界中の交流が途絶え、経済活動も停滞いています。それでも、自動車の高効率化の競争は続いています。最先端技術を使うことは、基礎科学の進歩を促します。工学技術の研究と開発が、将来のノーベル賞受賞に結び付くことを期待しようではありませんか。

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