羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

スマートメーターの通信方式

 2019年11月28日にスマートメーターの電磁波の話を書いてから、半年以上経ってしましましたが、その続きです。久しぶりの本職とする電磁波の話です。
 スマートメーターは30分に1回、各家の電力使用状態を電力会社に報告します。これは、電力会社が“ほぼ”リアルタイムで地域全体の電力使用状態を把握して、火力、水力、原子力と、風力と太陽光と言う不安定な発電とをリアルタイムで調整し、発電と送電を最適化します。この他にも電力使用の料金を決める検針の人件費を無くせます。この様にほぼリアルタイム制御されることで、この方式をスマートグリッドと呼び、火力発電所からの炭酸ガス排出量を減らすなどの副次的な効果も有ります。
 スマートメーターは3種類の電磁波を出します。一つは外部から取り込む50Hzの電力配線から漏れ出る磁界、次がスマートメーターの920MHzの通信用電磁波、もう一つは通信用の送受信機と電力測定回路用の、恐らく5V、のスイッチングレギュレータからの低周波磁界、です。

 30分ごとの電力使用状態の報告には、無線通信方式が使われます。最も多用されているのは、マルチホップ式と呼ばれるバケツリレーでデータを転送する方式です。これは、各スマートメーターが自分と隣のデータを次のメーターに転送して、地域内データをコンセントレータと呼ぶ地域の親局に向けて集め、ここからは光ファイバーを使い電力会社に送ります。
この方式はアドホック(特定の目的のために臨時に組み立てる)式の別名が有るように高い冗長度の転送網を組むことができ、加盟者が増えても新たな通信設備の増設は不要で、たとえメーターが故障していても他のメーターが代替えできると言う特長があります。さらに、隣の家との短距離通信で済むためと、単純なデータ内容で信号帯域が狭いため、家庭内や屋外やバス車内の公共Wifiよりも送信電力も通信時間も小さくなり、1mW以下となるでしょう。都市内や数10m以内でデータを送る設備が有る場合は、コストと信頼性の点で非常に優れた方式です。
 次が山間部での4G携帯電話がLTEを用いるデータ通信方式、です。都市部では、地下街やマンション等では電磁波を使わずAC100Vの家庭用電力線に信号を載せるPLC(電力線搬送通信)方式を使います。コンクリートの建物や地下街では電磁波が吸収されて、携帯電話もマルチホップも使えないからです。電力線はアンテナの様なもので家庭内にも入り込んでおり、電磁波が放射されます。ただし、電力線の長さが波長にマッチした長さでは無いために空間への放出は少なく、放出する電磁波強度は非常に弱いため無視をして構わないでしょう。
 ガス、そして将来は水道もスマート化される予定ですが、これらは検針の人件費削減が目的でしょう。

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