羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

はやぶさのイオンエンジン

 はやぶさが使ったイオンエンジンについての良い情報を、友人から頂きました。この話ははやぶさ2では無くて、初代のはやぶさです。と、言ってもすでに枯れた技術ですから、内容は同じと思います。
https://www.jaxa.jp/article/special/hayabusareturn/kuninaka01_j.html
 著者はJAXAの國中均教授で、イオンエンジンとオーストラリアでの着陸の支援を担当されました。以下は氏が執筆されたJAXAの記事からの引用です。
イオンエンジンはごく少量のキセノンを電離して、陽イオンを一方向に揃えて電界で加速して打ち出し、推進力を得ます。同時に発生した電子は中和器でこれも宇宙空間に放出します。

 エンジン一基の使用電力は330Wで、約1g重の推進力です。はやぶさの発電量は1kwとのことで、4基のうちの3基を働かせて加速をします。同じ重量の科学燃料に比べて10倍の推進力が有り、燃料の劣化も無く信頼性が高いです。
 設計寿命は1万時間で約14カ月でした、打ち上げ直後に1基(A)が動作不安定で休止しました。いとかわからの帰途に入ったところでもう1基(B)が故障して、残る2基(CとD)で帰ってくることになりました。しかし、長時間の使用で残る2基が次々に故障して、全基がダウン。そこで、残ったエンジンで中和器の故障したエンジンBで陽イオンを噴射し、エンジンAのまだ使える中和器を組み合わせ、1基を生き返らせて地球まで帰って来ました。デッキ回路的には、陽イオン生成部分と電子放出の中和器を繋ぎ直したわけですが、どんなスイッチを使ったのか、興味は尽きません。
 結局、使えなかったエンジンを生き返らせたことになり、はやぶさは無事に地球に帰って来て、オーストラリアの砂漠にピンポイントでサンプルを積んだカプセルを着陸させます。地球外から、推進力がわずか1gfのエンジンを使い、超長距離から地球の1点を狙うのは大変な技術です。
 この時は、はやぶさの本体は大気圏に突入して燃え尽きましたが、はやぶさ2では、ほぼ月の距離からカプセルを放出し、本体は別の惑星を探査するそうです。これくらい離れた位置でカプセルを放出しないと、本体が大気圏にひっかかってしまうからとのことです。
 日本はいつからこの様な技術を育ててきたのでしょう。糸川博士のペンシルロケットから始まった様に見えますが、基板となる物理学や工学は、ずっと以前からの先人たちの業績の積み重ねです。今、JAXAの中継動画を観ると、若い方達が中心となっており、技術は立派に受け継がれていることが分かります。私も50年若返って、彼らの一員に成りたいものだと、心から思います。

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