羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

はやぶさ2 カプセルは月の高さから投下

 はやぶさ2がリュウグウで採取した岩石資料は、12月6日に地球に持ち帰られます。これは大変な事なのです。昨年の11月13日の共同通信によると、JAXAは岩石資料を入れたカプセルを地表から数十万km、つまり月の距離くらい、から投下するとのことです。今回はやぶさ2の本体は、カプセルを放出した後、再び太陽系(小惑星系?)の観測をするために地球から遠ざかる運動をします。はやぶさ1がカプセルと一緒に大気圏に突入し、燃え尽きたのとは違う運用です。
 今回のはやぶさ2の往きが2年半で帰りが1年と、航行時間が大幅に違うのは、目的地までの接近速度の違いです。リュウグウでは接近速度がゼロだったので、往路では非力なエンジンでゆっくり加速し、接近するためにゆっくり減速したからです。これに対して地球への帰路は、減速せずに秒速12kmで地球に接近して、カプセルを放り投げた本体は全力で地球の影響を逃れて遠ざかります。この地球の引力に引きずり込まれない距離が数十万kmで、下の写真の様に月の近くから、オーストラリアのヌーメラ砂漠に向けて放り投げるのです。

 この距離から地球上の限られた地域に向けてカプセルを放出することがどれほど難しいか、お考えください。宇宙空間での航法技術を東京から小田原のハエの目玉を撃つ、とかの比喩が有りますが、真空中で弾丸を飛ばすなら発射の精度を上げれば済みますが、この場合は途中の大気圏での減速が有るので物凄く難しくなります。従って、本体から打ち出された後、地球に接近する途中でもう一度方向と速度と姿勢を定め治す必要がある、と思っています。とは言え、限られた重量の中で位置と速度を測り、どの様に狙いを正すのか、興味があります。もしかすると、本体から離れた後は何もしないのかもしれませんが、これは信じ難いです。
 はやぶさ2を地球から発射する前にこの様な課題を検討し、解決した後でリュウグウに向けて旅立たせたわけですから、どんな方法なのか大変に興味があります。このカプセル回収の課題をどの様に解決するのかを、5ケ月後には知る事ができるでしょう。これに比べれば、大陸間弾道弾での狙いを定めることなど、児戯に等しいほどです。どの様に解決するかは、物理と工学の両方の問題です。

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