羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

地球温暖化(14) カーボンニュートラル、熱発電について

 新しい発電方式として熱発電をご紹介します。熱発電は半導体のpn接合を使って、熱エネルギーで電流を発生します。太陽電池の場合は1.17eV以上の可視光のエネルギーを使ってpn接合を電子が乗り越えて、電流を作るものでした。熱発電素子は温度差によって発電します。赤外線以下の小さなエネルギーで発電できるので、今まで捨てられていたエネルギーを回収できるので、新エネルギー源の発見ともいえます。新エネルギーと言っても、その原理はゼーベック効果と呼ばれて古くからありました。何が新しくなったかと言えば、温度差で生じる熱の流れを電子の流れに上手に沿わせたことと言えます。熱発電は基礎技術として国立産業技術総合研究所が2015年に既にこの研究をしており、変換効率11%を達成と言っています。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151126/pr20151126.html
 下の図はこの研究所の発表レポートに使われている図です。右が全体の外観で中と左は動作説明の図です。

 私はこの方面では専門ではないので解釈が間違えているかもしれませんが、この11%とは入力の熱エネルギーと出力の電気エネルギーの変換比が11%であることと思います。この場合、熱エネルギーとは、高温側と低温側の温度差をエネルギーに換算したものです。
 ここで実際にこの技術を使ったらどうなるかを考えましょう。原子力委員会の報告によれば、原子力発電所のエネルギー効率は33%とのことです。従って使われなかった77%を熱発電で回収すると約8.5%でとなります。同じように最新の火力発電所では60%を超えており、熱発電の理論的回収率は4%程度です。しかし、原子力発電所や火力発電所はすでに高度なエネルギー利用技術を使っているので排水の温度は低く、冷却水の温度差が小さいでしょう。大量の温排水からエネルギーを回収するには莫大な設備コストがかかり、実用化は難しそうです。
 それでも、熱発電は別名「Energy Harvesting」と呼ばれるように、今まで見逃されてきたエネルギーを回収する技術です。ストーブの煙突、温泉の排水、工場の排熱、など探せば沢山有るでしょう。それこそ、チリも積もれば山となる、です。

Copyright © 2015-2019 Hane, Inc. & Beacon Associates, Inc.