羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

カーボンニュートラルへ向けて その5 (小型原子力発電)

 朝鮮半島にあるお隣の国が、原子力潜水艦を作ろうと画策しています。韓国海軍は2030年初頭までに9隻の潜水艦を戦力化させ、最後の3隻は原子力潜水艦にするのでは、と東亜日報が観測をしています。いきなり物騒な話ですが、東亜日報は原潜建造の言い訳として、潜水艦用の原子炉は、戦闘時には急激な発電量の変化に対応する特性を持ち、この特性は民生用での不安定な自然エネルギー発電を平準化するのに適しているので、この経験を民間の発電にも生かせるとしています。
 この話をヒントにして、電力の安定供給を考えてみましょう。一般の民生用原子炉の多くは沸騰水型と呼ばれ、核分裂反応で創った熱で直接水蒸気を作って発電機を回します。原子炉は発熱量の変化が遅いので、急加速や急減速ができません。そこで軍用の加圧水型は、原子炉の熱を熱交換機で水蒸気に変換することで、熱を貯めておいてこれを吐き出すことで瞬発力を得ます。減速時は熱を交換機に貯め込みます。下の図の左側は加圧水型、右側が沸騰水型の原子炉です。

 沸騰水型は加圧水型に比べて、ウランの濃縮度が低くて良いと言う言い逃れが有りますが、プルトニウムの生産量が多いという勘ぐりがしたくなる形式です。プルトニウムの取り出しで定期的な燃料棒の交換が必要で、このために開口部が大きくて振動(地震)に弱いという欠点も有り、燃料棒の交換のために加圧水型の様に制御棒を原子炉の上に配置できず、制御棒を動かすには何らかの動力が必要で、これも脆弱性の原因となります。加圧水型は事故時には簡単に制御棒が落下するので、炉の暴走は起こし難い機構です。

 なるほど、潜水艦でも使う加圧水型の原子炉は、変動する自然エネルギー発電の欠点を補うことができるでしょう。米国の戦略原潜オハイオ級の原子炉は出力が6万馬力で444MWです。これに対して、東京電力の1日の内でのピーク電力は、2019年の8月に起きた5,500万kWで、この内の3%が太陽や風力などの新エネルギーでした。オハイオ級の原子炉は2基で東京電力全体の1.6%を発電できるので、これだけあれば自然エネルギーの変動分を吸収できます。
 原子力発電は初期投資額が大きく土地探しが大変なので、小型原子炉を台船に積んで発電所にする、と言う案も有ります。。日本人の原子力アレルギーが減ればこんな方法も使えて、電気料金が安くなるでしょう。

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