羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

ウィズ・コロナ (オクスフォード大のワクチンの開発と特徴)

 オクスフォード大と共同開発したアストラゼネカ社のウィルスベクターワクチンは、日本も1.2億回分の予約をしています。このワクチンの特徴は、冷凍庫保存が必要なmRNA型に比べて効果が20%程低くて70%ほどだが、値段が安くて冷蔵庫保存が可能であることが歓迎されています。ChAdOx1(チャドックス・ワン)と呼ばれ、チンパンジーの風邪ウィルスを変形して武漢ウィルスに外観を似せてあります。ワクチン接種で人体の免疫系が得たChAdOx1による抗体と、ウィルスの外観を学習したT細胞が、武漢ウィルスを攻撃することになります。

 BBCニュースの電子版11月28日に、開発したオクスフォード大からの取材が載っていました。設計や臨床試験、製造で近道はできないので通常は10年かかるワクチン開発を、今回は10カ月で行いました。同大学がこれほどの短時間でワクチンを作れたのは、最短時間で人にワクチンを投与できるよう、計画していたからです。
 同大学は、武漢ウィルスの代わりに、「チンパンジー・アデノウイルス・オックスフォードChAdOx1」を作り出しました。チャドックス1は、ミクロの世界の優秀な郵便配達人のようなもので、チャドックス1には武漢ウィルスの外観のスパイクたんぱくを託しました。
 コロナウィルスは過去20年の間に2回、2002年の重症急性呼吸器症候群(SARS)と2012年の中東呼吸器症候群(MERS)が、動物からヒトへ感染しました。この結果、2つのコロナウィルスの生物学的特徴や活動の仕方、そして「スパイクたんぱく質」がウィルスの「アキレス腱」、つまり弱点だということが分かっていたので、すでに研究が相当進んでいる段階から、ワクチン開発を始めることができました。
1月11日になると、中国の科学者たちが新型ウィルスの遺伝子コードを公表し、世界と共有した。これによってオックスフォード大のチームには、COVID-19ワクチン開発に必要な材料が全てそろった。あとはチャドックス1に新型ウィルスのスパイクたんぱく質の遺伝子情報を挿入してワクチンはできました。
 また、ワクチン開発では、製造過程のひとつひとつでワクチンがウィルスやバクテリアに汚染されていないかを確認する必要があり、かつてはとても時間のかかる作業でした。ワクチンの完成後、通常は3月かかる所を今回は1か月で動物実験で安全性を確認して、4月23日から臨床実験に入ることができました。

臨床試験には3つの段階があり、
第1相:少人数を対象に行う治験で、安全性を確かめる
第2相:安全性を確認する検査を、さらに大人数で行う。また、ワクチンが、必要な反応を引き起こしているかどうかを確かめる
第3相:数千~数万人を対象とした大規模な治験で、実際に病気を予防するかどうかを確かめる。オックスフォード大のワクチンはこれまでに全ての段階を進み、第3相には3万人の志願者が参加して、十分なデータを得られたとのことです。
 オックスフォード大の開発チームは製薬大手アストラゼネカと提携し、臨床試験の結果が出る前から製造を開始した。その時点では賭けだったが、結果的に大成功だった。イギリスではすでに400万回分のワクチンが製造され、供給を待つばかりとのことです。

 なお、幼児と小児もウィルス感染をしています。日本小児科学会ではワクチンの接種についてのQ&Aをホームページに載せています。ワクチン接種はリスクを伴うので、ホームページでご判断ください。
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=326

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