羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

ウィルスの気持ちになってみると

 ウィルスの発生は武漢であることが、中国政府の今回のパンデミックについての中国国内での感染状況の推移の報告からも明らかなようです。さて、この武漢ウィルスを擬人化して彼らの行動様式と周囲に及ぼす影響について描いてみましょう。
 ウィルスが生物と呼ぶことは疑問ですが、すべての生物と同様にウィルスの最大目的は種の保存と繁栄です。ヒトは子供を作って遺伝子を残して子孫を増やしますが、武漢ウィルスは自分のRNAをできる限り沢山作って残します。目的の生き残りと増殖を達成するには、戦略として行動力のある種に取り付いて宿主とし、戦術は宿主を殺さずに動き回らせることです。
 効率的に子孫を残すには、猿やコウモリを宿主としても行動範囲が狭く個体数も少ないので、ウィルスは繁殖域を広げられません。従って、戦略的にはウィルスは広く動き回る個体数の多い動物に取り付くことが重要です。そのために、あらゆる動物が宿主になれるように、遺伝子を変異しやすい構造にして、ウィルス達は変異して最も発展性のある宿主を探し回ります。例えば、SARSコロナウィルスは、最初は中国南部のハクビシンのコロナウィルスがヒトへの感染力を持ったのではないかと言われています。
 このように、ラクダから猿、猿からヒトなど、より繫栄している種を宿主にするのがウィルスの戦略ですが、戦術的には感染した後で残せる子孫の数を最大化し、拡散することです。一般に、生物は体内にウィルスや細菌などの異物が侵入すると、これを駆逐するために免疫系が抗体を作ります。この免疫システムが活性化する前に、ウィルスは宿主の細胞に潜り込んで爆発的に増殖し宿主の体外に子孫を放出します。宿主の反応の体温上昇は、宿主側が免疫や抗体の働きを良くするためであり、ウィルスはこれを好まないはずです。一方、咳や下痢などの宿主の反応は、ウィルスにとっては宿主からの子孫の拡散を助けるものです。ですから、ウィルスをおさえるためには、宿主側の免疫反応が過剰に反応して体温が上がり過ぎない限り、解熱剤は控えた方が良く、咳止めはウィルスの拡散を止めます。
 一方、ウィルスは感染力と拡散力を強くするために、遺伝子配列を変えて変異する戦術をとります。変異により宿主が獲得した免疫系から逃れます。さらに、宿主があまり早く死んでしまうと拡散できなくなるので、ウィルスは代を重ねると次第に弱毒化します。宿主の致死率と、ウィルスの拡散は、このメカニズムで自動調整されます。季節性インフルエンザがいくつかのパターンを持っているのは、この弱毒化と免疫の記憶逃れの機能が巧妙化され、下の図のように同じウィルスが何度も繰り返しで現れていることからもわかります。武漢ウィルスのワクチンの評価で、獲得できる免疫の持続性が問題になるのは、天然痘や麻疹の様な致死率が高くてヒトの免疫系に強く印象を残すウィルスと違って、コロナウィルスでは一生保持される免疫が作られないからです。

 現在、武漢ウィルスは、最大目的の種の保存ができなくなる、と言う2つの致命的なミスを犯しています。それは、いつまで経っても弱毒化しないことと、最近現れた変異種の感染力が70%も増えたことです。これにより、人類の対ウィルスの戦いが強化されたため、種の保存と言う見地からは失敗しているエボラ出血熱ウィルスと同じみちをたどりそうです。エボラは、取り付かれた宿主が短時間で死んでしまうので、勢力範囲を広げることができないので、人類はエボラウィルスを閉じ込めて絶滅することになるでしょう。
 武漢ウィルスは弱毒化せず、感染力を強めたことで、人類はウィルスに対して、非接触と、急速なワクチン開発と広範囲の接種、と言う2つの手段を強化してウィルスをエボラや天然痘の様に絶滅に追い込みつつあります。
 しかし、最近問題になっている無症状の感染者は、宿主が感染に気付かずに動き回ってくれるので、周囲にとっては傍迷惑なことですが、ウィルスにとっては大変に都合の良い宿主です。このような無症状の感染者の免疫系は、感染に対する記憶が弱いので獲得免疫がいつまで持つかも気になります。

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