羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

カーボンニュートラルへ向けて その9 (日本はEVどうするの)

 2月10日は、中国のEV化政策について書きました。中国は政策イコール企業の事業計画ですから、巨大な企業が単一の戦略で活動をします。これに対して、日本は自由経済で民主主義国家ですから、トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、とそれぞれが外国を相手にして、それぞれに事業計画を立てて活動をします。いずれも、失敗も有れば成功も有ります。中国方式は当たれば速くて利益も大きく、失敗すれば大損失となります。日米欧は損と得を平準化して、そこそこの進歩と利益を上げてきました。
 そんな中で、トヨタの豊田章男社長は、昨年12月17日にオンライン記者会見を行いました。日本自動車工業会の社長として、更に、世界最大の自動車生産企業の社長として、過度なEV化を進めると、環境への配慮としては逆効果になりEVの生産台数を増やすことはCO2排出量を増やすことになる、との発言をされました。(全文はhttps://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1296023.html)
 EVは、化石燃料を使う発電所からの電力を、車載バッテリーに貯めて使っている限り、ガソリンエンジン車に比べてCO2排出量を増やします。従って、CO2を増やさないためには、発電所の燃費効率を上げます。フランス原子力発電所を増やす、ドイツはフランスから電気を買う、北欧は水力+原子力、米国はシェールガス火力発電をベースに風力・太陽、と各国各様です。
 炭酸ガス排出量の最も多い中国の2017年までの発電量の推移を下の図に示します。自然エネルギーが26.5%、原子力発電は3.9%、最大の火力が69.7%であり、自然エネルギーが増えて、火力発電が減っています。問題は、火力発電の多くは石炭火力で、そのまた大半が旧式で熱効率が悪いことです。前にも書きましたが、中国でEVを動かすとは石炭炊きの自動車となります。トヨタでも日産でもEVを中国で売れば、CO2排出については石炭炊きの自動車となります。

 話を元に戻して、豊田社長は会社の経営と、相手国の環境問題だけでなく政策にも振り回されているわけです。中国政府は、かつてはEVしかダメ、と言っていたのが無理に気付いたようで、PHVとHVを認めています。ただし、HVを許した代わりに、聞こえてきませんが、HVの技術移転を迫っているのではないか、と思います。トヨタは韓国からのHV技術移転の要求を蹴飛ばしましたが、中国に対してはどうするのでしょう。

Copyright © 2015-2021 Hane, Inc. & Beacon Associates, Inc.