羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

福島原発の処理水のトリチウム

 まず、自然界でのトリチウムのことを書かれた、放射線医学研究所の宮崎霧子博士の論文のURLを記します。https://www.kaiseiken.or.jp/study/lib/news99_02.pdf
 福島原発で貯まりに貯まった処理水が、貯める場所が無くなって海に流そうとしています。この処理水は、原発から出る放射能物質を含んだ汚染水をALPSで処理したものです。ほぼすべての放射線源を取り除き、最後に取り切れずに残ったトリチウム“だけ”を含む水です。
 トリチウムとは3重水素のことで、昔々は時計の文字を光らせる夜光塗料に使っていました。そう、昔はトリチウムの崩壊で出てくるガンマ線を使って発光させていたのです。トリチウムは、一般的な陽子が一つだけの水素原子(軽水素)に、中性子が2個加わって三重水素とも呼ばれます。半減期が12.32年と、比較的安定で世界中の水に混ざっており、人間の体内にも50ベクレルが水素原子として混ざっています。つまり、毎秒50回のガンマ線が体内で発生しており、宇宙線などとひっくるめて、自然放射能から年間2.4ミリシーベルトの被曝をしています。体内トリチウムによる被ばく量は、1000分の1程度の寄与分でしょうか。
 処理水に含まれるトリチウムは、水中で崩壊して高エネルギーの電磁波を出しますが、水中であればこの高エネルギーのガンマ線は水分子に吸収されて、空気中に出てきません。海水で十分に薄められた処理水の中で泳いでも、確率的には体内のトリチウムの影響よりもはるかに低いでしょう。飲み込んでも排泄されてしまいます。
 ちなみに世界の民間用原子炉の多くは、純水を炉心で加熱する軽水型です。軽水型原子炉には沸騰水型と加圧水型があり、日本には両方ともあり、正常運転であれば殆ど放射性物質を排出しません。

 トリチウムが人間に影響するのは、動植物の細胞中に取り込まれて組織となり、人間に食べられて人体の細胞となることで影響力を持てます。福島で海水に混ざったトリチウムは黒潮で福島沿岸から離れて、カリフォルニアめがけて太平洋の真ん中へ行ってしまいます。海水中や空気中にはすでに1960年代に行われた大気圏内核実験で生まれた放射性物質が含まれています。核分裂は大量の中性子を出すので、トリチウムも大量に産生されて現在の30倍以上の莫大な量のトリチウムが空気中に含まれていました。(宮崎博士の論文をご参照ください)。
これらのトリチウムは多くが海水中に移行し、水分として空気1リットル当たり0.3ベクレル程度。これを呼吸しても吸った水分は吐き出されるし、ちょっと肺の表面に留まっても既に体内にある50ベクレルに比べれば大したことは有りません。
 核実験に比べて、処理水の排出はコントロール下にあります。自分の身体の中にトリチウムを保有し、空気中にも60年前の核実験の名残のトリチウム入りの空気を呼吸しているのに、希釈されてアラスカまで行ってしまう処理水のトリチウムを心配するのは、非科学的です。

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