羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

牛乳の紙パックの洗い方 (流体シミュレーション)

 牛乳の紙パックは、とても質の良いパルプ(紙の繊維)を使っているので、リサイクルをしなければなりません。紙パックのリサイクルには、「洗って、開いて、乾かして」からリサイクルセンターに持ち込むことが、環境問題に意識が高い市民に望まれることです。
 今回のテーマは紙パックのリサイクルでは無くて、紙パックを洗うことです。話は30年前のことですが、今でも十分に使える内容です。
 私がソニーの計算科学センター長だった時、半導体事業部から製造工程でのウエハー洗浄について、流体シミュレーションで奇麗な洗浄をする方法が見つけられるか、の相談が有りました。当時は大型の計算機と言っても現在のハイエンドPC程度ではなかったかと思います(確認をしていません)。
 この計算に使える流体シミュレーションソフトは、2次元で、ウエハーが有る洗浄容器内の水の流れを3次元で解くのは当時としては不可能で、その上にウエハー上のフッ酸やレジストの溶けた水が、どれだけ希釈され流れ去るのか、物質が混ざり合う計算機用のモデルを作らなければなりません。それでも計算科学センターとしては、答えを出す必要があります。それでも以下の回答を送りました。
 ウエハーを入れた洗浄容器を純水で満たしてから、この純水を捨ててください。こうすれば、ウエハー表面に残っていた古い水は、新しい純水で希釈されます。古い水を1ccとして、新しい純水が2000ccとすれば、古い水は新しい純水で2000分の1になります。これを3回繰り返せば80億分の1、つまり8ppbになります。と答えておきました。当時はこんな答えを出すこともできましたが、現在の洗浄は専用装置を使い、必要なら薬剤も使うようです。
https://www.kanto.co.jp/dcms_media/other/backno8_pdf44.pdf

 採用されたかどうかは分かりませんが、これは今でも牛乳の紙パックを洗浄する時に使えます。パックを開く前に、水を3分の1くらい入れ、数回ゆすってから水を捨てる。これを3回繰り返せば、半導体の洗浄工程なみに紙パックの中はきれいになります。あとは開いて乾かします。使う水も1リットルくらいで済みます。ポイントは、洗浄水をなるべく残さない様に丁寧に排水することです。いかがでしょう。お試しください。

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