羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

放射性物質の生物濃縮、は迷信

 福島原発からの放射性物質の流出について、これらの物質は生物濃縮が行われる、と言う方がいますが、これは間違いです。生物濃縮とは、放射性物質が宿主に対して親和性が有る時に、食物連鎖で次の生物に選択的に引き継がれることです。例として、PCBは放射能ではありませんが、動物の脂質にくっついて、食物連鎖で大型の動物に伝わります。環境ホルモンとして作用することから、危険視されます。
 福島原発の事故で生成された放射性物質の場合、生体への親和性が有るのは2種だけです。2つを合わせた内の約9割となる放射性ヨウ素131は、甲状腺に蓄積されます。半減期が8日と短く、危険だったのは事故後の数十日だけ。成長期の小児への影響が心配されましたが、現在はヨウ素131は存在しません。
 残る約1割はセシウム137と134で、セシウム原子は神経の信号伝達に使われるカリウム原子と似ているので、沢山使われます。天然のカリウムは野菜などにも多く含まれ、同位体のカリウム40を0.01%含みます。K40は半減期が12.5億年で、動物に取り込まれると、量が多いのと数か月は体内に残るので4000ベクレル相当(体重が60kgの日本人)が体内に残留します。この結果、平時はK40が人間にとっての最大の内部被曝源となります。このK40によってセシウム134と137の影響力は隠されて、無視できます。
 福島事故の時に生成された放射性物質は、多数あります。もし、それらの物質が体内に取り込まれている間に原子崩壊をすれば、放射線(アルファ線、ベータ線、ガンマ線)が障害を起こします。しかし、半減期の短い危険な物質はすでに崩壊をしてしまい、福島周辺には残っていません。確率の尻尾の未崩壊部分が残っていても、人体とは親和性が無いので、体内にはとどまらず排泄されます。
 さて、
 トリチウムは60年前の大気圏内核実験で作られ、現在でも大量に残っています。加えて、宇宙線が大量のトリチウムを大気中に常に作り続けています。従って、原子炉からのトリチウム量は、これらの残留量に比べればわずかです。
トリチウムは水素原子の同位体なので、自然界にはトリチウム水分子としてたくさん存在します。植物中でも動物中でもトリチウム水分子は他の水分子と同じ扱いを受け、生物に取り込まれ、排出されます。体内でのトリチウムは、50ベクレル相当がベータ崩壊を起こしています。幸いにも、トリチウム水分子は全身に分散し、神経系に集まりやすいカリウム40の4000ベクレルに比べれば、量、場所共に影響力は低いです。
 
 この様に、トリチウムは生物濃縮されず、大量に飲まれても排泄されて残りません。また、ベータ崩壊は人体への影響が小さいので同じベクレル数でも人体への影響量のシーベルト数は少ないのです。
 最後に、日本国内にはトリチウム以外の放射性物質はしっかり管理されているので、生物濃縮は迷信です。しかし中国は、過去に内陸部で核実験をたくさん行ったので、ウランやプルトニウムなどの活性な放射性物質が地表に残っています。この放射性物質の管理は不可能なので、影響力は未知であり福島のことをとやかく言う資格は有りません。
 自然界で生物濃縮されるのは、放射性物質ではありません。プラスティックゴミが自然界で粉砕されてできた、マイクロプラスティックとその表面に吸着している、環境ホルモン、農薬、PCBや油脂類などです。これについてはイルカの不妊などを「プラスティックゴミ問題」としていくつかのブログにアップしてあります。

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