羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

5Gの電波を竜巻予測に使う

 ウオールストリートジャーナル2021年5月5日電子版に、ノースカロライナ州でNPOが5Gの信号電波を使い、湿度で変わる電波伝搬特性の変化から、竜巻の早期警報に役立てようとしています。
 オズの魔法使いに出てくる竜巻はカンザス州で、北アメリカ大陸のど真ん中ですが、ノースカロライナ州は東岸で緯度的には同じです。カンザス州と違って大気は安定して、竜巻サンプルが少ないのではないか、と気になります。
 この警報システムは、気象観測所に比べて携帯電話の基地局は数が多いので、竜巻警報の精度を高められる、と言う利点が有ります。800MHz~2.2GHzの4G電磁波は、空気中の水分に吸収されて、周波数が高いほど伝搬し難くなり、5Gに割り当てられた周波数帯の3.7GHz、4.5GH、28GHzではさらに電波は飛ばなくなります。別に5Gのアプリを使ってどうのこうの、ではなくて単純に周波数が高ければ、伝搬特性の変化量が大きいので測定しやすいからでしょう。
 しかしそれでも、伝搬特性の変化と竜巻とをどの様に結び付け、それが警報を出せる精度の情報を得るのは、難しいと思います。電磁波は空気中の水分の影響を受けても、圧力の影響は殆ど受けず、竜巻は局所的な気圧変化によるので気圧測定が必要だからです。湿度測定による、と発表されているので水分から気圧を、どんな方法で測定するのか分かりません。「ホントウカヨ?」と言う気も、しないでは有りません。
 発表によれば、観測された竜巻の気圧変動は、数十秒で急激に変化をします。この乱れによる伝搬状態の変化を広範囲な基地局網の中で見つけ出し、竜巻を遠隔検知して時々刻々と動く竜巻の行く先に警報を出すのでしょう。
下の気圧変化のグラフは、このシステムで測定したものか、地面に設置した気圧計によるものか分かりません。もし5Gの基地局間の電波伝搬から、これだけの分解能で圧力変化を得られれば、十分に予報を出せるでしょう。

 さて、4Gでも水分の影響を受けるのに、5Gでは周波数が更に高いので、雨に吸収されて通信不能になることも要注意です。これは強い雨では12GHzを使う衛星放送では、偶に起こります。竜巻警報システムは、5Gのどの周波数帯域を使うのでしょうか、肝心の時に通信不能では、観測ができなくなります。空気中の水分を測定する点からいえば、5Gでも低い周波数の3.7GHzか4.5GHzが良いですが、前にも書いた通り、どうやって気圧を測定するのかわかりません。

 これと同じことですが、遠隔手術とか、トラックが無人自動走行している時に大雨が来たらどうするのか、の対処法が気になってしまいました。移動利用は別として、5Gは光ファイバーを使うのが、確実で低価格と思います。

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