羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

温暖化を利用しようとした中国にとっての困った話

 これまで中国はCO2による温暖化を政治と経済に利用して来ました。これからも利用しようと思っている中国にとって、温暖化とその原因がCO2であることは福音でした。世界の覇権を握るにあたっての、中国の脱CO2への考え方は、
(1)温暖化は日米欧にとって政治的な圧力だが、中国には圧力にならない。
(2)CO2規制は、日米欧には経済的な発展を阻害するが、中国はCO2規制を無視して経済発展ができる。
(3)EV化とエンジンを使えなくすれば日欧が困る。
(4)脱CO2で中国製の太陽電池が世界中に売れる。
 この覇権拡大シナリオに沿って、まず2035年までに中国国内で販売する自動車は電気自動車EVとすることを、産業貿易面での主軸に据えました。これは何年経っても日欧に追いつけないエンジン技術の開発を諦めて、国内で走る自動車は“中国企業でも作れる”EVに制限する、と言う目論みです。
 CO2削減の為、と中国の巨大な購買力をバックにした効果的な戦略だったのですが、EVの核心技術は自動運転の様な派手な技術では無く、電池です。リチウムイオン電池は、化学と工学と物理学を必要とする生産技術です。これに加えて、長期間の安定した雇用環境で生まれる経験を持つ職人のノウハウも必要で、全てが揃って安全な電池を作れます。
 これらを持たない、中国のCATL社のリチウムイオン電池は爆発し、韓国LGが補助金目当ての中国工場で生産した電池は、目覚まし時計の様に時が来ると燃えます。一方、燃えない日本のリチウムイオン電池は高価で買えず、次世代の全固体電池の特許出願数の半分近くはトヨタグループのものです。経験と基礎科学力の無い中韓には、トヨタ特許を犯さずに全固体電池を5~10年間で開発するのは無理でしょう。
 日本のリチウムイオン電池の安全性は、30年前の自由闊達で創意工夫に富んだ、ソニー中研での研究開発もベースになっています。頭の硬い儒教教育下の技術者が何人寄っても無理です。

 たとえ電池を作れても、中国国内の自動車全部をEV化してしまうと、EVを充電する電力が不足しています。EV充電の発電所を作るには、石炭火力発電所の建設が一番早いですが、すでに中国のCO2排出量は世界1で約3分の1が中国です。そこで、CO2を出さずにエネルギーを作るため、生産量が世界1位の太陽電池をさらに増産したいのですが、太陽電池のシリコン材料を作るにも大電力が必要で、こちらでも発電所の増設が必要になります。
 
 ところが、CO2排出量の少ない高効率の火力発電所建設には高度な技術が必要で、新型発電所の建設は難しいです。その上に、太陽電池発電所を各地に作ってしまうと、電力網に接続する配電網と変電所の増設と、不安定な発電量を平準化するには火力発電所の増設が必要となります。
 結局は比較的安い労働力と大量生産によるコストダウンを武器として、次の国策としてEV化を始めたところ、次々に課題が発生してしまい、電力不足と大気汚染の付けが残ることになります。
 その上驚くことに、中国は未だ発展途上国扱いで、CO2排出制限の縛りを受けていません。原子力発電所への市民の反対は独裁政治で簡単に押し潰せるでしょう。ところが、ウィグル人権問題を発端としたオーストラリアとの外交問題で、思ってもみなかった石炭不足による停電が起きましたが、収める目処が付いていません。
中国にとって温暖化ガスがCO2でも水蒸気でもどちらでも良かったのですが、これには困っていることでしょう。恒大集団の少なくとも33兆円、と簿外負債17兆円の負債とこの石炭不足による停電が、中国の金融と経済にどの様な影響を与えるか、どうなることでしょう。
 この脱CO2を錦の御旗とした政策が間違いであり、温暖化ガスが海を発生源とするH2Oであることはいずれ広まり、根拠を失います。自国の都合に合わせたEV化は、単なる自国への利益誘導とされ、日米欧から経済制裁を受けることになりかねません。

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