羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

免疫系は優れた防衛システム

 1月9日に免疫系の話を少しだけ致しました。動物の免疫防御システムは、非常に巧妙ですが、ウィルスの方はその裏をかくように進歩をしています。と言うか、人間だけでなく、蝙蝠や猿やそのほかの動物の間を行き来しながら、免疫系に滅ぼされ難い感染方式を持つウィルスが生き残ってきたわけです。
 これに対して、人間は免疫系と言う防御機能を備えており、ウィルスが多少進化しても対抗できる冗長度の高いシステムを構築して、ウィルスや病原菌が新種を作り変異しても、病気から身体を守っています。
 免疫系は白血球と総称される、沢山の免疫細胞達の連携で形成されます。系統的に白血球はリンパ球(ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、ナチュラルキラーNK細胞、B細胞)、単球(マクロファージ、樹状細胞)、顆粒球(好酸球、好中球、好塩基球)の3種類がそれぞれカッコ内の細胞に分化されます。複雑な系なので、Wikiの図をコピーして説明します。

 人体に取り付くウィルスの目的は、細胞内に侵入して増殖することだけで、できれば宿主には健康で過ごして欲しい、と思っているはずです。とは言え、宿主にとっては外敵ですから攻撃します。ウィルスをまず見つけ出すのは、自然免疫系の樹状細胞とマクロファージです。これらはウィルスや細菌などの外敵の侵入の警報を出して攻撃能力を持つNK細胞や、好中球を呼び寄せ、初期の攻撃を行わせます。これが上の図の緑色の部分です。
 好中球は、学校で習ったいわゆる白血球です。好中球は白血球の中で最も量がおおく、全体の5割を占めており、樹状細胞やマクロファージなどとともに、外敵を包み込んで“食べて”しまうので貧食(どんしょく)細胞ともよばれます。もし、病原体を殺してそのままにしておくと、残骸が残って体の中を汚染するので、残骸を掃除するのも重要な役目です。ここまでが自然免疫と呼ばれる、体内の異物に対する反応です。
 樹状細胞は自然免疫の戦いでの指揮官ですが、食べた外敵から特徴抽出を行い、抗原を見つけ出した時は、ヘルパーT細胞に外敵侵略情報を出します。これが、獲得免疫の前線指揮官としての働きの始めでもあります。ここからが図の紫色で描かれた獲得免疫の反応となります。
 抗原を提示されたヘルパーT細胞はその抗原を想い出して、キラーTやナチュラルキラー細胞に、抗原を持つ外敵や侵略された細胞を攻撃させます。さらに、樹上細胞からの抗原情報でB細胞は抗体を創り出してウィルスや細胞に抗体の目印を付け、キラーTやナチュラルキラーの攻撃を誘導し、抗体によって貪食細胞も活性化します。抗体は、それ自体はウィルスを攻撃しませんが、免疫系全体の活性化と攻撃対象を明示する働きが有ります。
この様に、人体は2段構えの防衛系を持ち、前衛の自然免疫と、後衛の獲得免疫が抗体を使って防衛機能を活性化させることで、冗長度が高く確実にウィルスなどの外敵を排除します。
 また、抗体濃度は、数か月で大幅に減りますが、B細胞やヘルパーT細胞は抗原を覚えているので、獲得した免疫の記憶の保存をしてくれているわけです。新型コロナウィルスに対する記憶は減り易いのですが、天然痘や麻疹などの記憶は一生持つと言われるほど強いです。この点ではコロナウィルスは、人間の免疫系に合わせて進化している、と言えます。

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