羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

PCR検査はポピュリズム受けだけで、無意味なわけ

 これは随分前、昨年の4月に郵便受けに投げ込まれていた某政党のチラシで、PCR検査をもっと行え、と言う見出しです。これがいかに非科学的だったか、説明をしましょう。下半分は党名が分かるので、カットしてあります。

 このチラシ、実現性の無さと科学性の無さで、正にポピュリズムの見本です。このチラシ、公明党から立民、国民、社民、共産、自民古生物の二階派、どこが言ってもおかしくない内容です。さすがに、与党の本流は、役所や専門家の意見が聴けるので、こんなことはしません。
 もっとも、与党として周囲の支援を得られた立場でも、失敗をした例が有ります。福島原発事故の時に、時の総理大臣の菅直人氏は冷却水を失った炉心に塩分を入れると、復旧の時の清掃が大変だ、として海水注入に反対しました。どう言う訳か、原子炉の掃除代金を、庶民的に気にしたのです。
 この結果、炉心融解と水素爆発を引き起こし、広範囲の放射能汚染を引き起こしました。責任は彼だけではなく、現場から上がってきている海水注入を望む現場の要望を、首相の菅直人氏に進めなかった当時の閣僚にも有ります。彼らは、情報が豊富な与党の立場だったのに、科学性を失って後世に残る大惨事を引き起こしてしまいました。大衆受けを狙って自分の意見に固執し、他人の意見を冷静に聴き、決断する胆の太さが無かったのです。
 これに懲りずに、数日前に、菅直人氏は小泉純一郎氏らと共に、自分が起こした原子炉事故で出た放射性ヨウ素が原因で、福島県には甲状腺がんが増えた、とまたも科学性のない発表をしました。随分前に、放射線由来のがんは医療関係者から否定され、増えたがんと言うのは、高感度の超音波検査機を使ったがんに発展する可能性がほぼ無い、本来は検査をしない前がん症状の若者までほじくり出したからです。おかげで、無用な心配を若者に与えています。これも庶民に媚びたポピュリズムです。

 さて、チラシに話を戻しましょう。
 「今こそ本気の大規模検査を」と大きな文字が有ります。小さな字で「コロナを封じ込めるカギは、無症状感染者を把握・保護すること。そのためには従来の枠を超えたPCR検査の拡充が必要です」と有ります。
 そこで、これを実際に行うとしましょう。PCR検査で無症状の人を見つけるには、1千万都民全員のPCR検査が必要です。これには、検査に要する検査薬の代金、検査の人件費、被検者の検査場までの交通費、検査のために外出することで感染する危険性の増加、などの負担が増えます。
 PCR検査で症状無しのウィルス感染者を見つける価値が有るのは、ウィルスを放出する期間だけですから、ざっくりと、1週間に1回1千万人全員の検査を繰り返さないと無症状者は見つけられません。
 毎週1千万人の検査をするには、検体を採取する場所を1千か所つくっても、1個所で7日間に1万人、毎日8時間をかけても1時間に179人の検査をすることになります。この作業を行う、検体採取資格保有者と、採取した検体を検査する技術者を1千か所に配置して束縛しておくのは大変であり、他の業務ができません。
 ところがこの検査は精度が70%でザルみたいなもので、毎週30%が見落とされては、お金と手間をかけて国民を束縛する意味が有りません。現在の日本の防疫体制は、PCR検査重視で防疫に失敗した韓国の真逆ですが、日本人の道徳と倫理観によく合っており、混乱無しで第5波を抑え、第6波のオミクロン・ピークを迎えようとしています。
このビラを発案した人は、検査や感染などについての科学的知識が無く、社会的なコストや、国民の負担を考えられない、自分が働く生活経験の無い仙人みたいな人なのでしょう。政治にしがみついている人と言うのは、こういう人たちなのです。
 やはり、政治と言うのは、政治家に任せておけるほど簡単なことではないのです。

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