羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

石炭を使って水素を作る技術、とは

 風力や太陽光などの自然エネルギーを利用するには、時間と距離の2つの課題が有ります。時間の課題とは、欲しい時に都合よく供給されないことです。夏の日中に冷房用の電力が欲しくても、風が無くて曇っていたら役に立ちません。距離の課題とは、自然エネルギーが豊富にあるのが赤道付近で、多くの国々は中緯度地帯に有るので何千kmも有るので、送電線を張って電気を送るのは不可能です。
 そこで、赤道付近で風や太陽で電気を作り、これで水素や水素原子が多い化学物質を作り、中緯度の人口密集地に運んでエネルギー源にします。私は、CO2が温暖化の原因と思ってはいませんが、産業のゼロカーボン化には反対しません。日本車の排気浄化技術や、高効率エンジン技術、水素発電所などの先進的な高付加価値の工業技術を、ゼロカーボンの名のもとに開発を行うことには大賛成です。
 たとえ、温暖化の原因をCO2である、とすることが陰謀論であったとしても、大気や水の汚染がとまり、野生生物の被害が減れば、結果として人類の生活が豊かになることでしょう。

 それでは本題に入りましょう。石炭を使って水素を作る、と言われても石炭は炭素Cだけでできており、石油の様に水素原子Hを持っていません。そこで、使われるのが、水です。H2Oを2分子と、Cを結合させてCO2を1分子とH2を4分子取り出します。出てきたCO2は、土の中か水中深くに埋めてしまうそうです。このCO2を植物がするように、CO2とH2OからCとHの炭水化物とO2を作れればよいのですが、工業技術的に炭水化物を作るのは難しく、人間の化学力はまだ植物に追い付いていません。
 今回、日本とオーストラリアは共同で、自然エネルギーから水素を創り出し、運び、消費するテストプラントを作ろうとしています。石炭は、不純物交じりで使い難い、オーストラリア産の褐炭で、低コストで簡単に手に入ります。水素は液化して、川崎重工が造った「すいそふろんてぃあ」で2月末には日本へ運びこまれます。
 自然エネルギーを輸送する技術の開発にオーストラリアは熱心で、水素を運びやすい化合物にして運ぶ方法が、次々に発表されており、どれが最終解になるか分かりません。太陽電池や風力発電は、安定した電力供給のためにバックアップ用の発電所が必要で、脱CO2は中途半端で、経済的な損失が無視できません。赤道付近で水素を作って固定化して日本へ運び、安定したエネルギー源にするのは、良い方法と思います。
 世界中の鉱物資源や石油を手に入れようとする中国に対して、日本とオーストラリアはエネルギー資源を創り出そうとしており、期待をしましょう。しかし、創ったエネルギーの海上輸送路の途中には、インドネシア、フィリピン、台湾、そして中国が有ります。現在でも中東からの石油タンカーは同じルートを通っています。現在は米国がこのルートを守っていますが、米国の国力が落ちた時、危険であるとは思いませんか。

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