羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

知床半島沖の観光船の沈没は人災で、避けることができた

 知床半島沖の観光船カズ・ワンの浸水事故は、死者不明26名の近来稀な海難事故となってしまった。事故の経緯は、エンジンが故障して海岸に流され、座礁して沈没したと言われます。
 カズ・ワンの事故原因として、エンジン故障以外に観光目的で岸に近付きすぎて座礁した、という考えも有ります。しかし、遭難時は時化で漁船も出港しなかったほどで、わざわざ危険な海岸に近付くことはなかったでしょう。やはりエンジンが故障して漂流し、座礁、沈没したと思います。

 さて、知床半島沖の観光船には私も乗ったことが有ります。知床半島は、岩だらけの海岸です。もしエンジンが故障して風が岸に向かっていたら、助からないなと思いました。
 こんな時に助けになるのは、エンジンが2基以上、あるいは補助エンジンを搭載していることです。これまでに色々と船に乗りましたが、小型船の大部分はエンジンが一つだけでした。これでは、エンジン故障で即漂流となります。観光や釣りのお客を乗せる船は、安全基準としてエンジンを2基以上とすべきです。
 次に必要なのは、平時の乗組員の安全教育と訓練です。安全教育が行われていれば、この様な荒れた海に即応することができます。出港する時は波高が30cmだったのが、救助要請時には3mになっていたとのことで、天候の急変や暗礁だらけの海岸など、危険な海で運航することへの注意が根本です。エンジン故障や、浸水に対して、周到な準備と訓練も必要です。
 今回、風は岸に向かっていても、遭難した所から死体が発見された所までは遠く離れており、海流は岸に平行に流れていたことになります。シーアンカーを打って、海流に乗って半島をかわせば後は、広い海で救助を待つことができたでしょう。シーアンカーとは、パラシュートの様な大きな布を海中に投じて、船が風に流されるのを止めます。私はシーアンカーを積んだ観光船に乗ったことが有りますが、シーアンカーはエンジン故障の際の漂流を防げ、暴風時には効果的です。
 今回の場合、もし、船長と甲板員が経験豊富なシーマンであれば、間に合わせの材料でシーアンカーを造り、風下の岸をかわせたかもしれません。その前に、海が荒れてきたら引き返す決断力が大事です。
 エンジン故障と故障後の対応など、会社と乗組員による人災であり、大変に残念です。

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