羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

トリチウムについて、きちんと説明します

 自然界や食品のトリチウムの濃度を測ろうとしている人たちがいますが、この測定が素人には出来ないことを科学的に説明します。まず放射線とは何か、です。放射性物質は不安定なので崩壊し、この時に、アルファ線(ヘリウム原子核)、ベータ線(電子)、ガンマ線(電磁波)、の3つの放射線を放出します。トリチウムの場合はベータ崩壊でヘリウム3に変わり、平均で5.7keVの電子を放出します。ヘリウム3も電子も皮膚を突き抜けることが出来ませんから、トリチウムは人体には無害です。

 上の図は地球上のトリチウムの量です。まず、過去の核実験で作られたトリチウムの1.8×10E20Bq(1.8×10の20乗ベクレル)が残っており、日常的に太陽放射線などの宇宙線で作られるのが7×10E16Bqあるので、核実験生成のトリチウムが12年の半減期で減って、最終的に平衡値になると1.3×10E18Bqになります。現在は核実験の名残で、2×10E19Bqが地球上のトリチウム総量です。
 この地球上の総量は空気中と水中を足したもので、水中のトリチウムは酸素と結合して水分子となり、水は循環するので濃度は海も川も世界中同じで1リットル当たり0.5Bqです。従ってトリチウム濃度は動物、植物を問わず、含有する水分の量で決まります。極まれにタンパク質や脂肪に水素原子として結合する場合も有りますが、これは無視できる量です。
 さて、ここで1リットル当たり0.5Bqと言う量ですが、これは1リットルの水で1秒間にベータ崩壊する数が0.5個の意味で、トリチウムの数はずっと多いです。これより、体重60kgの人は30Bqのトリチウム量で、毎秒30個が崩壊していますが、皮膚に閉じ込められて外に電子は出てきません。
 従って、魚にガイガーカウンターを近づけても、魚からのベータ線は測れません。水面近くのトリチウムの場合は、電子が飛び出せるかもしれませんが、深ければだめでしょう。水分を蒸発して濃縮しようとしても、蒸気となって空気中に逃げてしまうので濃縮は不可能です。さらに、崩壊して飛び出す電子の方向は、全方位360度の立体角になるので、ガイガーカウンターの5ミリ四方程度のセンサー面でとらえるのは難しく、事実上検知は不可能です。
 不可能が2つ重なったところで、自然界のトリチウムの危険性を検出しようとしても無理で、危険性が無い事がお分かりになったでしょうか。福島の処理水は1リットル中の1500Bqのトリチウムを含んでいますが、0.5Bqの海水で十分に希釈して放流され、放流された場所で黒潮によってさらに拡散されるので、魚も安全です。
 どこぞの国は日本よりも大量のトリチウムを海水中に放流していますが、それとても大海の一滴です。ただし、中国と韓国の内陸水は管理されておらず、化学物質と重金属で汚染された水が海に流れ出しています。こちらはトリチウムと違って生物濃縮が起こるので、上海ガニなどの海や川で捕った魚を食べてはいけません。
 アッ、それと、牛や豚も飼料が汚染され、植物も重金属で汚染されているので、お気を付けください。韓国のキムチも同じでご注意です。

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