パレスチナ承認とウクライナ支援は無意味な上に危険
パレスチナを国家として承認することが、グローバリズム政権国家の間で流行っています。最初はイギリス、そしてカナダ、ポルトガル、ベルギー、ルクセンブルクなどが承認し、この度はフランスが承認しました。イギリスは第2次大戦前から中近東地域を植民地として支配していた宗主国であり、この地域には責任が有ります。宗主国では無い他国にとって、パレスチナを国家として承認するという事は、イギリスの覇権に対する切り崩しです。
さて、欧米には“名付け親”と言う制度が有り、名付け親はその子に両親に次ぐ保護の責任と義務が有ります。国家の承認はこれと同じで、そのほかの国々はイギリスに次いでパレスチナを助ける責任が有ります。イギリスは産みの親ですから当然として、カナダ以下フランスまでの国々、承認国と呼びます、は利権への思惑が有るのでしょう。これらの国々は、今後はパレスチナが国家としての外交と軍事、経済などで自立できると思っているので、今のうちに恩を売っておくつもりでしょう。しかし、パレスチナには資源も教育も無く、強固な宗教心が有るだけの自立できるまでの支援が必要な難民集団です。承認国たちは、途中で放り出すことは許されません。
この自立への支援は、生半可ではありません。パレスチナは戦争を続けることで存在意義を示そうとするハマスと深い縁が有ります。さらに、この難民の集団に唐突に自立を煽ることは、彼等に実力以上の自信を付けさせる事が良い事とは言えません。自立させるには、承認国は産業が無くお貰い生活しか知らない彼等に産業と生活を創ることから教えなければなりません。トランプがガザを観光立国させよう、と発表したのは承認国たちが思いつけない建設的な提案です。
さらに、この度トランプは国連でウクライナは領土を取り戻せる、とこれまでのウクライナに対しての、「いい加減であきらめろ」とは真逆の発言をしました。これはNATOにロシアとの戦争をけしかけることであり、イギリスやフランスそしてドイツの無責任な外交と戦争継続策をあてこすっているのです。(勿論ヨーロッパ諸国はロシアと戦争する力なんて持っていません)。トランプの本音は、「ウクライナを効果的な支援もしていないのに、いい加減なことを言うな!」とヨーロッパのグローバリストを非難しているのであり、ウクライナとパレスチナに対して、EU諸国が無責任だと糾弾しているのです。
本来、トランプは人が死ぬのが嫌いで戦争に反対です。イスラエルは世界の金融、電子技術、外交で自立しており、米国には保護責任が殆ど無く影響力も有りません。しかしウクライナには援助を中止しており、新型兵器を使わせると言ってもこれはロシアを脅すため。ロシアには数週間でウクライナに勝てるだけの軍事力を持っているのに、なぜ勝利して戦争をやめないのか、と「張り子のトラ」と呼んで戦争継続を非難しています。
諸悪の根源のプーチンが戦争をやめないのは、大統領職に留まるための国内の権力維持のためであり、これは軍需産業利権で潤っている欧州のグローバリズム政権と利益が一致するからでもあります。トランプはプーチンだけでなく、EUのリベラルな元首たちも非難しているのです。
一方、同じヨーロッパでも、イタリアはパレスチナを承認せずウクライナ支援に冷ややかです。イタリアのジョルジャ・メローニ首相は極右と呼ばれながらも反グローバリズムを主張しており、いずれはウクライナと同様にパレスチナ支援の奉加帳が回って来た時に拒否をするための予防線です。この動きはフランス、イギリス、ドイツと広がり、いずれ日本は参政党の神谷宗幣も一員となるでしょう。
この様に欧米諸国はそれぞれの思惑でウクライナとパレスチナの問題に対応していますが、日本の岩屋外務大臣はどういう訳かウクライナ支援には熱心ですがパレスチナ承認はしていません。日本のマスコミたちはこれを日本が後進国だと批判をしていますが、日本はイタリアを見習って地球の反対側のウクライナとの縁を切るべきです。パレスチナ不承認は遠い地の他人の争いごとに巻き込まれず、産油国も目をつぶってくれる正しい判断です。