羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

遼寧の発着艦回数の260は、エンジンがボロだから

 中国遼寧艦隊は、12月5日に日本の経済水域に進入してから沖縄列島東側で示威行動を行い、沖縄本島と宮古島の間を通り抜けて1週間後に中国水域に帰りました。望んでいたブラウンウオーター・ネービー(沿岸海軍)から、ブルーウオーター・ネービー(外洋海軍)への脱皮を目指して、中国海軍はようやく1週間位以上の長期航海に出られるようになったわけです。この間260回の発着艦をしたとのことですが、ブログはこれをテーマにします。

 さて、空母艦隊と言うならば航空機をまともに飛ばせなければ意味がありません。日本に空軍力を示威できたのは、四国沖にいた16日の1日間だけです。17日は逃げるように東に向かっています。夜間の発着艦が難しい中国海軍の航空機ならば、飛んだのは16日の昼間の10時間程度。この間に260とは言わなくても200回くらいは発着艦をしたに違いありません。とすると10時間で100機は6分間に1機で、発着艦は3分ごとの200回です。
 ここで、米海軍は危険地帯での空母艦隊はCAP(Combat Air Patrol)戦闘空中哨戒を飛ばします。1編隊(2機の1分隊)を常時滞空させ、艦上には搭乗員を乗せてエンジンを切った状態でもう1編隊を待機させます。日本がいずも型護衛艦とF35Bでこれを行う場合、F35Bの作戦行動半径が800km強とすれば、上空哨戒は4時間が可能ですが通常は2時間程度とのこと。この場合午前と午後にそれぞれ3編隊、夜間も飛べるので計6編隊で12機が飛ぶことになります。いずものF35B搭載数は8機と言われますから、通常訓練程度で搭載機への負担はそれほどありません。
 一方遼寧は危険な夜間は飛ばないとして昼間に100機、6分に1回の発着という異常に短い間隔でした。もし常時2機が滞空するなら、1編隊は12分間しか飛びません。何か別の訓練をするなら陸地の近い中国本土近くのはずです。もし4機編隊でCAPをしたなら滞空時間は24分だったのかもしれません。
 こんなに滞空時間が短いのは、中国製の戦闘機エンジンの耐久性が数百時間程度だからで、20機程度しか積めない空母機に4機が滞空をしているCAPを10時間続ければ、全機をローテーションにいれて各機は1日の半分以上はエンジンをかけたままのかなりきつい使用方法だったでしょう。
 機械が大好きで、こんな粗い使い方をする人間を嫌う私にとって中国のエンジンの使い方は機械を理解しない未開人種です。言ってみれば、アフリカでエンジンオイルの交換を知らないで自動車に乗る原住民みたいなものです。
 中国製エンジン機は地上に止めておくか、もし飛ばしたならば上空で何もせずにそっと周回するのが安全です。それを発艦してから20分程度でまた着艦させてと大忙しだったのは、エンジンに熱的な欠陥が有るからでしょう。エンジン温度が上がり過ぎないうちに艦に降ろしてアイドリングで低負荷にして休め、エンジンの熱的な歪みを直してからまた飛ばす、だったに違いありません。共産党幹部が現場の窮状を知らずに無理に動かさせて、恥の上塗りをしているのでしょう。
 現在、こんな程度の航空機と、一番古いロシア製の古い空母しか中国は動かせません。すでに、エンジンと空母に手を付けてから15年以上経ちましたが、本物のブルーウオーター・ネービーにはまだ10年かかるのでは。
 旧いロシアのスクラップの遼寧にも劣る動かない2番艦と3番艦、そして4番艦は原子力化とのことですが、この4番艦のカタパルトが電気式か蒸気式かで、3番艦の広東が使えるかどうかがはっきりします。蒸気式になるなら電気式カタパルトの失敗を意味し、広東は捨てられるのかもしれません。数千億円の空母を失敗してもうやむやにすることができる中国という国、脱線した新幹線を埋めようとした前例が有りますが、発展途上ならそのエネルギーが恐ろしいですが、落日となった現在の広東は単なる失敗と無駄の墓銘碑です。

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