羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

自助と共助で行なう老々介護の経費と金銭の管理 (新日本2100計画 17)

 2022年度の日本の80歳以上の人数は1,196万人です。高齢者向けに用意されている介護給付金は、国費で3.6兆円、地方税と介護保険を合算すれば総額14.4兆円という巨額です。一方、23年度に増額された防衛費は6.82兆円(全額国費)にすぎず、介護給付金の47%です。防衛費は全国民の安全保障に使われ、産業を潤しますが、介護費は高齢者のお世話に使われて、残念ながら大半は人件費と外国薬剤メーカーの知的財産権の使用料に使われて、日本の完全と産業への貢献は有りません。
 この介護給付金は1千万人を超える80歳以上の全ての人に、一人当たり毎年120万円を渡せる金額です。健常であればもらえませんから、それを幸せなことと思うべきでしょうか。介護保険は高齢者も収入に応じて収入から天引きされる税金です。しかも、この税金は国会の審議を経ずに、厚労省が勝手に額を決める既得権益です。
 超高齢者の80歳以上85歳までの人口は652万人で、その内で約3割が認知症になっています。それ以外の病気の方もいるので、残る元気な超高齢者は326万人です。これだけでは不足なので、85歳以上の元気な方にも少しだけお手伝い頂きます。
 これら超々高齢者は、介護費受給者223万人に対して、要支援1の22万人を1時間、要支援2の37万人を2時間、要介護1の83万人を毎日3時間、要介護2の81万人を毎日4時間、それぞれを時給500円でお世話すると、年間費用は1兆2200億円です。要介護3以上は特別養護老人ホーム(特養)にお願いをします。
 お世話役の元気な老人(介護人と呼びます)の必要人数は3時間平均で223万人となりますが、3時間以下の人や4時間は2人で分担するので、実際には、400万人が必要で80歳以上の元気な方がほぼ全員関わることになります。3時間の介護人は月に4万5千円で年間54万円の日当をもらうことができます。お世話を受ける介護費受給者人は、生活費は年金や生活保護費が別途有り、医療費も医療費として別途総額46兆円が予算化されているので、病気でも大丈夫です。
 老々介護の利点として、同年齢の方から介護を受けるので、若いヘルパーに比べて若さの圧力と無神経を感じません。これは高齢者でなければ分からない若いヘルパーの問題点と思います。老々介護は介護を受ける側からも心地が良いと思います。黙っていても必要なことをしてくれる、配偶者か同性同年齢が向いているのではないでしょうか。

 さて、ここで提案している老々介護の重要な点は、介護給付費の受給者がそれぞれに介護人に直接時給を支払うことです。これは現在も形を替えて老人ホームに人件費として支払っているのと同じです。さらに、余った給付金は国から受給者が直接受け取ることも新しい試みです。
 これまでは給付金は必ず業者に支払われて受給者はタッチしませんでした。これは悪徳業者の立ち入る隙を作り、天下り官僚の中抜きのチャンスでもあります。受給者に払った方が、多少の不正が有ると思いますが短期間であり、業者や官僚が造る半永久的な不正手段を続けるよりは良いでしょう。国家が個人の必要に応じてお金を渡すのは、完ぺきな社会主義であり左派系の方々には喜んで頂けるはずです。
 具体的な例として、老々介護で介護される受給者は要介護2の月額19万7050円までです。要介護2は、日常生活にケアが必要で多少の認知症を発症していますが、お金の管理は脳の最深部で行われてボケにくいので、受給者に直接支払う方が業者や官僚の天下りで中抜きされるよりは安全でしょう。介護人2人に毎日4時間分で月額6万円、週に4日のデイサービス3時間で入浴や健康診断などで月額9万円、残額は月に4万円ですが病院の自費分などが有ります。食費と社交費は年金からです。悪徳業者や天下り役人の立ち入る隙はできません
 老人ホームで雇用されていた管理職以外のスタッフは不要となり人件費は大幅に減ります。しかし、受給者がそもそも認知症や身体が不自由な人たちなので、介護費は本人以外の家族や親族、身近な人が管理することになります。支給された給付金が間違いなく本人のために使われるかを確認することは、難してく大きな課題です。介護の金銭管理にはケアマネージャーや介護人などの多人数が関わって、受給者の不利が起きない様に管理には透明性を持たせることでこの問題に対処することになるでしょう。
 また、受給者の金銭管理にはマイナンバーカードが公金の受け取りと預金口座の監視機能がすでに有ります。この機能を拡張して、AIによる介護サービスに関わる金銭の把握と管理、および使途不明金の監視ソフトを開発すれば、認知症の受給者が介護人や後見人の抜き取りや不正使用から守ることも可能です。この様に老々介護は金銭問題以外にも、先端のデジタル技術を利用することで、使いやすく間違えの無い手段となるでしょう。

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