蛤の美味しい食べ方
3月から初夏までは蛤が旬です。旬に入る前に、蛤の話をしておきましょう。江戸時代は、アサリ並みに蛤が獲れたようで羨ましく思います。小学生のころ、木更津沖の遠浅の海に船を出して、昼時には小学生の膝くらいの浅い海で、家族で貝を採る遊びが有りました。親は船の上で酒を飲み、子供は水着で浅い海で遊びまわったわけです。
いまの木更津海岸と違って、当時は貝を海に撒いたりしませんから、海底の砂をほじくってもなかなか貝は採れませんでしたが、アサリが主で蛤は珍しかったと思います。獲れた貝をどうやって食べたかは覚えていません。きっと親たちは、船に乗る前に積み込んだ蛤を焼いて食べていたのだと思います。
それから30年以上経って、所帯持ちになっていた私は千葉の九十九里海岸で、焼き蛤を食べさせてくれる浜茶屋を見つけました。このお店、浜に勝手に建てた違法建築物ですが、休日になると大繁盛でした。料理と言えば焼きそばくらいで、あとは鯵の干物や牡蠣、蛤、といった魚介類を、客は卓上のガスコンロで焼いて食べるものでした。この店が気に入って、しばらくの間九十九里まで通いました。
ところがこのお店、蛤が獲れなくなったのか儲けに走ったのか分かりませんが、値段が上がり過ぎて数年後には行くのをやめました。今は浜の店は無くなり、海岸から離れて違法では無い建築になって営業を続けているようです。蛤の値段は最初は1kgで千円でしたが、2千円になって行くのをやめました。これ以来、蛤は高くてそう簡単には食べられないと思い食べませんでしたが、今はいくらでしょう。

それでも、数年前に「魚屋のおっチャンネル」の生田よしかつ氏がユーチューブで焼き蛤に勝る蛤の料理法を紹介してくれました。七輪やガスコンロの上で蛤を焼くと貝の下側の貝柱が熱で外れるので、パカンと開いた蛤の身のついた側は上になり汁がこぼれてしまいます。この汁は貝の味のエキスなので、非常にもったいないのです。
この点で生田方式は優れています。平たい土鍋や底の浅い平鍋を水と日本酒を半々で蛤が浸る位の深さにしておき、で静かに煮立てておき蛤を入れます。火が通った蛤がパカンと開いても汁は鍋の中です。余り火が通らないうちに鍋から出して、付け汁を付けてお召し上がり下さい。この方法の優れているのは蛤の出汁がこぼれないことで、残った鍋の中は立派な蛤出汁です。お湯割り焼酎に使えば、蛤が一段と美味しくなります。
そして、最後に良い話。最近鹿島海岸などで蛤が良く獲れるとのことで、小名浜や大洗の魚市場で蛤が買えます。砂を吐いているかわからないので、市場で海水を貰って家に帰って砂を吐かせると良いです。もう一つ、持ち帰る時に蛤の周りに氷を置かないで下さい。氷が直接当たると貝類は死にます。持ち帰りは水に入れないでも良いから、25℃以下になるようにしておくのが良いです。
