羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

電動アシスト自転車の磁界

電動自転車は24Vのリチウムイオン電池を動力源として、人力の補助をします。トルク(つまり力)の必要なスタート時や上り坂で、必要な力と速度にを補うためのパルス状の電流をモーターに流します。電流値は最大数10Aに達し、モーターだけでなく電池周辺でも同じ様に数10Hz~数kHzの広い周波数範囲で低周波磁界を生じます。
この磁界は、大型家電の起動時と同じくらいの磁界が足の間から出て来ます。勿論、WHOの規制値以下の磁界強度でしょうが、あれは短時間被曝での影響です。自転車に乗っている間浴びる磁界は結構長い時間ですし、成人は睾丸と卵巣の両方に影響します。親の乗る自転車の後ろに乗る子供にも要注意です。この年齢で受ける磁界が後々に影響するか否かは分かりませんが、用心に越したことは有りません。

まず、お子さんを電池に近い後席に乗せるのは、避けて下さい。ハンドルの前であれば後席の半分以下となりますが、運転が不安定で転倒の危険が有ります。転倒と磁界を比べるならば転倒の方が危ないので、自転車の運転に自信が無い方は後ろの席に乗せる方が安心でしょう。

子供の椅子の下に磁気遮蔽のために、0.5mm厚程度の鉄板を椅子の座面に付けるという方法も有ります。気になるならお試しされても良いですが、前の席であれば十分な距離であり、被曝する時間が短いので不要でしょう。親の方は相変わらず足元で磁界を出しているのが問題ですが、自転車のサドルに鉄板を組み込むのは難しいので、お進めする方法を思い当たりません。電動自転車は、走り出しの不安定な時に安定な速度まで加速するのが大切です。転倒防止と言う安全面で役立つので、使うのを止めようとは申せません。

自転車の磁界に注意、と言っておきながらもっと注意をして欲しいのは、家庭内での電気配線からの50Hz磁界や、家電機器の電源からの数kHzのインバータ磁界です。自転車に比べれば長時間の被曝ですから、家庭内の50Hz磁界に気を使いましょう。

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