羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

EVの電池寿命は8年だが、HVはなぜ10年以上長持ちするのか

 日本は、トヨタとホンダが本格的な並列型HV(ハイブリッド自動車)を造ることが出来ます。並列型とは、エンジンの出力を電池の充電用と走行用の両方に併用するもので、エンジンとモーターと電池を常に最適な状態で使用する、高度な制御技術を必要とします。トヨタ・ホンダ並みのHVを造れる企業は世界のどこにも有りません。
 世界2位の自動車生産台数のドイツのVW社はこの技術が無く、HVは作らずEV(バッテリー駆動の電気自動車)の生産を決定しています。第3位の韓国のヒョンデ・キアグループはHV技術を育て、数年前から販売をしています。それ以外の自動車メーカーは、HVと名乗れども実質が伴いません。
 さて、脱炭素を騒ぐヒステリックな一人の少女のおかげで、日米欧の主要産業である自動車産業がきりきり舞いさせられて、各社がEVを生産する羽目になりました。この少女は、後ろから中国が焚きつけられており、中国の思惑は自国では優秀なエンジンが作れないので、作るのが簡単なEVで世界の自動車産業を乗っ取ろうとしている、のは関係する全社が認めるところです。

 ところがこのEV、核心部品の電池に問題が発生しています。中国では毎日8台のEVの電池が発火全焼し、韓国製EVや中国製電池を使ったテスラも時々燃えて、死人も出ています。日本では大騒ぎになることが、中国では日常茶飯事です。この燃える電池、製造上の問題で起こります。製造時に電極、セパレータ、電解質などが不純物で汚れていると、この汚れが電池の電極間を内部でショートして一気に放電し、電池は赤熱して電解質の有機溶剤が爆発的に燃え上がって、他の電池を加熱爆発させて、数瞬で全電池が連鎖的に燃えます。
 この現象は走行時だけでなく、充電時や何もしない時でも起こります。原因が電池製造時に有るので、同じ電池を積んでいる韓国製のEVは、米国では類焼を防ぐために屋内駐車を禁じられています。さらに、最近オランダ沖で、EVを498台とエンジン車を含めた合計3787台を積んだ車運搬船が、EVからの発火が原因で船火事を起こし、死者1名を出して全損しました。余談ですが、EVは火災は電池に貯めた電気エネルギーで燃えるので、沢山積んでいる電池パックの1つが燃えると水をかけても次々に他の電池パックが連鎖的に燃えます。

 さて通常の使用でも、電池には燃える以外にも気難しいところが有ります。EVに使用している電池は、充放電を繰り返すと汚れが集まるだけでなく、電池内で働くリチウムイオンが金属化して、少しずつ劣化します。100%の満充電と0%までの放電で電池を使用すると劣化が加速されます。と言う訳で、EVのユーザーが、明日は遠出だからたっぷり充電をしておこう、と100%の一杯一杯まで充電すると電池はダメージを受けます。電池が心細いが家までもう少しだから、と頑張って使い切るのも電池を劣化させます。
 この電池の劣化で、EVは8年、16万kmの走行で電池交換が勧められています。電池交換の費用は、電池価格は新車価格の1割強、重い電池の交換の工賃も加わって、交換には新車の2割近くを払わないと、乗り続けることが出来ません。エンジン付きの自動車の場合は、新車の時に希少価値が有る車の場合は、40年以上経つとヒストリックカーと呼ばれて、価値が再び上がって数億円になることが有ります。しかし、EVでは40年後では交換電池は製造が中止されていいて、この様なことは無いでしょう。。
 それでは、電池とエンジンを併用するHVはどうでしょう。HVの電池は、人間が充放電するEVと違って、充放電を50%~70%くらいの間で使っているので、非常に長持ちします。初期のプリウスはこれが行われず、電池交換が必要となった様です。この後充放電のマネージメント方法が確立して、電池交換の問題はずっと少なくなりましたが、電池の寿命は10年で20万kmが目安の様です。初代のプリウスは20年近く前に作られており、多くは廃車なのでしょうか、電池交換の話は聞きません。
 現在、日本の街を走る乗用車の大半はHVです。エンジンだけで走る車と違って、HVには電池の製造中止と言う、絶対的な寿命が有ることを忘れないようにしましょう。

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