羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

新しい国産AI、「SakanaAI」は防衛省が発注

 8月24日のブログで、国会の議事運営における答弁書の作成に特化した「源内」AIを紹介し、説明しました。源内は国会での答弁に準備する資料の作成を目的とし、予め提出されている質問への答弁書の作成に必要な過去の議事録、関連法案および憲法を参考にして生成AI機能で答弁案を作成します。この文書をベースにして、議員あるいはお役人が最終的な答弁書を作成する、比較的狭い使用範囲に特化したLLM(大規模言語モデル)型のAIです。
 SakanaAIはこの7月29日に国内のスタートアップ企業のSakana AI株式会社が、防衛省と「総合分析業務に必要なAI機能の調査・実証」に関する契約を締結したもので、8月24日に発表されました。SakanaAIは、源内がデジタル庁と大手コンピュータ―関連メーカが作成したのに対して、防衛省がベンチャー企業の1社に託した形となります。
 このSakanaAIを準備し防衛体制を整えておくことは、もし日本に軍事的圧力がかかった場合に、この圧力に対するAI使用と自衛隊の即応体制を整え、対応を精確にかつ迅速に行う方法を明示することは、限られた軍事力を効果的に使用することになり、大きな抑止力を創るでしょう。

 SakanaAIは情報収集と分析から、自衛隊の指揮統制を支援するための国産AIシステムです。国産化するのは、たとえ同盟関係を持つ米国製であっても、外国の影響を防ぐために日本独自のAI主権を確保する狙いです。これにより、防衛力の強化、情報戦への対処、そして少子化に伴う深刻な人員不足の克服という、極めて重要な情報戦略を達成します。そして何よりも、日本の防衛力と準備、さらに国内産業などの情報が国外流出することを防ぐねらいも有るでしょう。
 SakanaAIが行うのは、防衛省と情報本部などにおける情報分析のために、保持する膨大な情報を、統合的に収集し分析する業務を支援です。加えて、陸海空の全領域から得られる従来型の航空機や艦船からの報告だけでなく、ドローンからの広域および極地的な、膨大かつ詳細な観測データを高速で処理し状況説明を基にした作戦案を示します。これを用いて、自衛隊司令部は指揮および統制システムでの迅速な意思決定を行い下命します。
 この様に最終的に人間が決定と下命を行うことで、たとえAIが対峙国の意図と戦闘準備あるいは行動を読み間違えても、誤った戦法の実行を防げるでしょう。つまり、AIを用いて具体的な対応をする際に、AI任せにせずに最終責任を人間がとるシステムにしておくことが大切です。これと逆に、情報あるいは司令官が間違えた判断をする要素を無くし、AIが正しい認識案で是正する機能を保持することも大事です。
 また、AIの特長として受けた質問をLLMに組みこむことができるので、源内やSakanaAIは、日常的に使いこんで行くことが大切です。日露戦争の日本海海戦で秋山真之参謀が敵前回頭戦法によりロシア艦隊を壊滅させたように、AIの使い手が優秀であれば、プログラムも進化します。内閣の周辺の役人も自衛隊のトップも、日本で有数の優れた人材が集まっています。この2つのAIをきっかけにして、日本がすぐれたAIを創り、有事の際の抑止力となって戦争を防ぐことに期待しましょう。

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