羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

日本のレアアース生産は世界1となる

 レアアース問題についての朗報です!
 2010年9月、日本領海内で違法漁業をしていた中国漁船を拿捕したところ、中国はこれに対してレアアース金属類の輸出禁止で圧力をかけてきました。弱腰の日本政府が漁船を釈放したことから、以来中国は尖閣諸島の領有権に口出しをして尖閣諸島は両国の睨み合いの場となっています。
当時、中国は世界のレアアースの97%を生産しており、これはレアアースの採掘から精製までを中国は低価格の電力と人件費と環境汚染を無視した方法で達成したもので、現在よりも強い外交的影響力を持っていました。しかし、日本が南鳥島沖で豊富なレアアース資源を発見したことから、中国の勝手な行為が許されなくなり、産業面だけでなく外交面でも大きな変化が送る事になります。そこでまず中国と日本の計画するレアアースの生産方法について、簡単に説明します。
まず、レアアース生産方法には、採掘、精錬、分離の3つの工程があります。
(中国のレアアース採掘と精製法)
 中國の採掘方法は露天掘りと、山に直接硫酸アンモニウム溶液を化学溶剤としてパイプで直接注入して地下のレアアースを溶解して回収し、沈殿したレアアースを得る方法があり、後者が多用されています。
この中国の採掘方法で特に溶剤を注入する方法は、回収した溶剤には地中からのレアアースと不純物金属の溶解物が環境に流れ出して、土壌と地下水を汚染します。不純物には、半減期の長い放射性物質のトリウムが存在し廃棄物として環境を汚染しています。共に長期間環境を汚染することは明らかで、他国では絶対に許されない方法です。
 次の精錬段階では、鉱石を粉砕したものと溶剤法からの溶解物は、高温の強酸と強アルカリによる処理でレアアース溶解化合物を取り出します。分離と金属化は、さらに強酸と強アルカリを繰り返し用いて不純物を取り除き、レアアース金属の純度を高め、17種類のレアアースを元素別に分離して最終的に高純度の酸化金属として取り出します。

(日本の南鳥島でのレアアース採掘法とその後の精錬方法)
 南鳥島沖の水深6,000mの海底にある日本のレアアースは、「レアアース泥」と呼ばれる魚の骨や歯のリン酸カルシウム(アパタイト)にレアアースが吸着、濃縮されて化石化したものです。日本の採掘法は、海底からレアアース泥を引き上げ、化学処理してレアアース元素を分離、精製するの2工程しかありません。いずれも船上あるいは工場と言う閉鎖空間内で行なわれるため、環境汚染が無く放射性物質も存在しません。
 まず、船上処理は、海底からパイプで引き上げた泥水を圧縮、乾燥して輸送の負担を減らします。この泥水を船上まで持ち上げるのが日本のレアアース生産で一番面倒な工程でしょう。何しろ何トンと言う流動性の固形物を6,000mの海底から、押し上げるのです。この工程は設備が巨大ですが、海面の船の位置を正確に制御できれば可能です。日本はすでにその基礎技術を持ち、実証しています。海上に出たスラリーは純度の高い径の大きな泥粒を集めて脱水し、本土へ輸送します。
次の分離と精製は地上での化学処理で、レアアース泥を常温下の弱い酸の希塩酸に短時間浸すだけでアパタイトは溶けて、レアアース金属粒が遊離します。同時に溶け出しているカルシウムを取り除き、サイズや性質の異なる物質を分離するクロマトグラフィーでレアアース金属酸化物を分離し、分別します。
 この様に、日本のレアアース生産は中国に比べれば比較にならないほど、原理が簡単で工程はクリーンで、泥を海上に持ち上げさえすれば低コストです。今後、これまでの研究室レベルのレアアース泥の採取と輸送等の海上作業を産業レベルまで拡大し、地上での精製と分離工場の大規模化、および技術者の育成を行います。
 しかし注意する点があります。今後の事業化を民間企業だけで行なえば中国はこの事業を潰しにかかるでしょう。方法は、中国共産党からの支援を受けた中国レアアース企業からのダンピング攻撃です。資金力で負ければ日本のレアアース事業は失速します。これに備え、耐えるには、日本は国家及び国際的な投資案件として、生産から消費まで含めたレアアース事業を育成する事です。
 この独自のレアアース製造の事業化ニュースは我が国にとって、有望かつ幸先の良い話題です。国内の主要メディアは日本の良いニュースは広めようとしていないので、この技術と大きな成果を私たちも広めようではありませんか。

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