認知症の予防は頭を使う事
昨日(3月12日)のブログは、認知症になり易い性格は、神経症と呼ばれる独りよがりで人の気持ちを理解しようとしない人。なり難いのは、誠実な性格の几帳面で自制力が強い人としました。誠実な性格の人は、相手の気持ちに自分の言動を合わせて、二人分の思考をするからでしょう。つまり認知症になる、ならないは、脳を使う量の差ではないでしょうか。脳神経系は使えば使うほど活性化するので、認知症の予防とは脳神経系の使用量を増やすことと考えましょう。
脳細胞の全部を使うなら、体と脳を同時に使うことですが、認知症予防には思考と記憶に集中した方が良い、と思います。これには異論がおありの方もいらっしゃるので、それぞれに工夫してください。私は朝、目が覚めた午前4時ころから、仕事を始める5時まで、横になったままでとりとめが無いが、それでも気になることを、次々に約1時間考えることにしています。気になることは、事情が複雑で面倒なことが多く、こんな事こそが、脳神経系の活性化に役立ちます。しかし、そればかりだと気分が暗くなるので、合間には別の空想をしたらどうでしょう。例えば動物園に行ってアイスクリームを食べるとか、、、。
頭を使うもう一つは、物作りです。新しい物を作ると、手先だけでなく工夫と言う創造的な頭も使うので、認知症予防にも役立つことでしょう。なぜ毎日頭を使い続けるかといえば、休むと脳細胞のシステムが怠けることを覚えるからで、使い続ければ、もしかするとシナプスがオンになる閾値が下がって信号伝達が良くなるのでは、と期待しますがこの程度では駄目でしょう。
頭を使うとは、2つの脳細胞間をシナプスを介して電気信号のパルスが伝わることです。2つの細胞間の信号伝達とは、枠内の図で上からきた電気信号が、シナプス小胞から神経伝達物質を放出し、この伝達物質で下側の細胞の受容体が刺激されて電気信号を出し、下側の細胞を興奮させることです。
シナプス間の通信を行う神経伝達物質は沢山有り、大きくアミノ酸、ペプチド類、モノアミン類です。有名なショック時の救急薬のノルアドレナリンや幸福感を得るドーパミンはモノアミン類で、覚せい剤や麻薬などの脳に作用する物質は皆神経伝達物質です。その上に、毒性を持つ1酸化炭素や1酸化窒素は神経伝達物質と同様の働きをします。したがって、頑張って頭を使っていても、これらの薬品の直接作用にはかなわないません。抗うつ剤や睡眠導入剤などの薬を使用中であれば、医師とご相談ください。
話しを元に戻して、認知症は脳細胞の情報伝達が劣化したため、と言うことは正しいと思います。この機能を取り戻す脳細胞システムの再活性化は薬品では行えません。今のところは、新しい記憶を創ったり、古い記憶と思考を想い出したりして、シナプス小胞や受容体の新陳代謝を活発にすることです。
朝の寝床の中の1時間、認知症予防に頭をつかいましょう。