地球に脱炭素は本当に必要?国立環境研究所の見解から
温暖化を止めるために、地球には脱炭素が必要なのでしょうか。5年前から私は温暖化は起きてはいない。現在の気温上昇は、地球表面と大気圏、あるいは太陽活動の変化の一つのためかもしれない、と思っています。さらに、もし起きているとしても、気温上昇の原因は炭酸ガスCO2の増加による大気の組成変化が温暖化の原因、とするIPCC(気候変動に関する政府間パネル)グループの説を正しいと思いません。
また、日本はCO2の排出量が全世界の3%に過ぎず、中国の30%に比べれば十分かつ良心的であり、他国が追い付いてくるまでこれ以上の脱炭素投資は不要です。その投資が労多くして益が少なければ、別の使途を考えるべきです。
まず、温暖化が起きているのは、対流圏と呼ばれる大気の低層部分です。太陽から入射する1.4kW/m2の電磁波エネルギーのうち、放射線や紫外線などの高い周波数全部と可視光の一部の400Wは、地上10㎞以上の成層圏で酸素やオゾンに吸収されて、それ以下の周波数の可視光と赤外線の1.0kW/m2が地表に到達します。この光(電磁波)は地表や海水面を暖めて、暖まった地表は赤外光の形で熱エネルギーを宇宙へ向けて放出します。
赤外光は宇宙へ放射される途中で大気中の温室効果ガスに吸収されます。エネルギーを吸収した温室効果ガスは温度が上昇して不安定になるが、エネルギーを赤外光として放出して安定化します。放出された赤外光は、宇宙へ逃げて行くか、他の温室効果ガスに再度吸収されるか、地表に戻って地表を暖めます。それでも最終的には宇宙空間に逃げてゆきます。
しかし、温室効果ガスが増えると大気圏内での温室効果ガスと地表との赤外線エネルギー交換の回数が増えて、大気圏内にとどまる時間が長くなり、大気圏低層部の温度が上昇します。これが温室効果ガスによる温暖化の原理で、温室効果ガスは水蒸気を筆頭にした炭酸ガスCO2、メタンCH4、およびフロンガス類です。
なお、この温室効果ガスが無い場合、大気の温度は0℃以下になり氷結した地表の太陽光の反射係数は地表よりも大きいため、太陽光は反射されて大気温度はさらに下がることになります。この様に、温室効果ガスは地表の温度調節の働きもしています。
さて、ここからが本論です。温暖化は、温室効果ガスによるものなのでしょうか。産業革命以後、大気中のCO2濃度の上昇と気温の上昇のスタートの時期が一致していることから、温暖化は温室効果ガスによるものだ、とされています。さらに、いくつもある温室効果ガスの中で、CO2が主因だとする説も疑問です。
CO2が一番重要と言っているのは、グローバリストと呼ばれる人々で、彼らの多くは科学者ではありません。彼等は、温暖化対策を国際的な利権にしようとしています。彼等は気候問題を利権化する時に、世界のために、や国際的な協力関係を創る、と称して国連やWHOの権威を使うことから、グローバリストと呼ばれます。そして、グローバリスト達が作ったのが、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)と言う組織で、名称から分かる様にアカデミズムのかけらも無く、有るのは国際金融機関や政府権力への接近です。
IPCCの求める利権とは、国際的な影響力を行使してスポンサー企業や政府の利益と温暖化対策を結び付けることです。例えば日本では太陽電池セルの設置の強制化、あるいは各国のEVへの国家的な補助金政策です。EV化の目的は、中国と欧州の自動車業界が世界の自動車をEVにして自国の自動車産業を保護することです。これは進歩した日本の自動車産業のエンジン技術を無意味にする目論見です。
しかし、この国際的なEV化の企ては、いくつかの見込み違いでうまく行っていません。まず中国の数百の新興企業がEVを国内需要以上に造り輸出したことで、欧米各国のEV市場は荒らされてしまい、だれも勝者になっていません。これが第1の見込み違いです。次が、欧州と米国の消費者が値段は安くても、使い難いEVを買わないことが第2です。1と2の結果として日本製のHVやPHEVの売り上げが伸びています。
そして第3が、気候科学者の科学的な意見が、温室効果ガスの代表はCO2では無くて水蒸気であることです。証拠として、日本の国立環境研究所が長年にわたって気温上昇の原因の調査しており、沢山の報告書には必ず文末にはCO2を抑制すべきと書いてはいますが、文中では水蒸気が温暖化の主因が水蒸気であると述べていることです。下の文は分りやすく書いてあるので、是非お読みください。
https://cger.nies.go.jp/ja/library/qa/11/11-2/qa_11-2-j.html
最後に身近なことをお話ししましょう。日本では、太陽電池や風力発電などの自然エネルギー発電の拡充をするために、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として電気料金に加えてこの再エネ賦課金を徴収され電気代が役1.1倍になっています。この設備拡充の賦課金2.4兆円と電気料金の3.6兆円が自然エネルギー発電装置を設置した者に支払われますが、自然を壊して太陽電池パネルがどんどん造られているのは利益が有るからです。
この金額に対して、私達は原資が消費者から強制的に取り立てられ、利益がグローバリストに流れていることを忘れてはなりません。この消費者の金銭的負担が今後の地球温暖化を食い止めるかと言えば、それは全くありません。それは、水蒸気の温室効果の方がCO2のそれよりも2.5倍あり、CO2の制限は効果が殆ど無く、温暖化の主体の水蒸気は海から無尽蔵に供給されるからです。
この状況は約30年前から始まっており、もはや温暖化は止められません。これが止まるのは、火山の噴火や核戦争で空気中に粉塵が滞留して地表に達する太陽光が減る、あるいは江戸時代の様に太陽の活動が少しだけ低下して、大気の飽和水蒸気量が大幅に減るかでしょう。核戦争を除いて、この現象は今までに何回もあった事でしょう。地球は、その時が来るまでこの気温上昇に耐えるしかありません。