羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

米国大統領選挙でみえるマスコミの偏向

 米国大統領選挙は、グローバリズムの軍需産業と金融資本 vs 労働者層向けの経済ナショナリズム、の争いです。今回の話題は前者が推す民主党のジョー・バイデンがカマラ・ハリス(以下敬称略)に代わり、後者は共和党候補のドナルド・トランプです。世界のマスコミの大半は思想的に未成熟の左翼リベラリストで、マスコミの現場は意外に思慮が浅く、使っている写真や報道の忖度が見え見えで面白いのでまとめます。

 今年の7月までの、バイデン候補が健在だった時の二人の顔を並べて作られた写真を見て頂きましょう。この写真は、ロイター、BBC、ウオールストリートジャーナルのリベラル系の3紙が使っていたものです。トランプは心配そうな顔で、バイデンは優しいがしっかりとしている“様に見える”顔です。両者の襟の先端の位置は同じだが、目の位置ははっきりとバイデンが高く、バイデンの印象を良くしようとする編集者の意図が透けて見えました。この傾向は3紙だけでなく日本でも夕刊フジと産経新聞を除いて、マスコミのほぼ全てがバイデンに偏っています。
 しかし、7月21日にバイデンは選挙から退陣を発表し、代わりに副大統領だったカマラ・ハリスが民主党の大統領候補となり、選挙活動の目標を「妊娠中絶の権利」にしました。トランプはMAGA(米国を偉大に)を目的とした脱移民と脱脱炭素です。世界1の大国の大統領としてこの2つを比べてみると、後者はまともですが、前者が政策とは言えないと思うのは、キリスト教徒ではないからでしょうか。
 ハリスは10万円以下の窃盗は犯罪にしない、としたProp-47を使ってサンフランシスコを犯罪都市にした検察官で、不法移民の犯罪歴を抹消して市民権をどんどん与えていた極左の人物です。副大統領の時には国境管理の担当者であっても、一度も現場に行かず、破れた国境を放っておいたので、不法移民が年間1200万人と以前の4倍になっても放っておいた実績が有ります。こんなハリスに忖度して米国のマスコミが使っている写真です。

 どこかで見たことの有る構図だと思ったら見つけ出しました。共に宣伝臭が漂う写真ですが、二人の周りにいる人の表情をよく見てください。ハリスのすぐ左の下から覗いている人と金正恩のすぐ左の軍服の上目使いの表情、ハリスの右側の禿のおじさんと金正恩の写真の右端の官吏、と同じです。支配者に服従する左翼マスコミの知恵はこんな程度でしょう。
 ハリスの写真は、大統領専用機を使っている次期大統領候補、と言うことを表す写真ですが、落ちが有ります。まず、エアフォースツーのボーイング757の機体は正しいが、大統領候補として選ばれて時の人になっているハリスに、質問をしている記者たちの服装がラフ過ぎて違和感が有ります。もともとハリスの失言癖は有名で、候補になってからは質問無しの原稿読みしかしていません。従って、質問を受けているこの場面は、7月31日ではおかしいでしょう。翼の下で記者会見を行うということは副大統領に対しては失礼です。この写真は、ハリスに顔出しをさせたくて合成したのかもしれません。
 ところで、マスコミに話題として取り上げられると、一層盛り上がる人と、化けの皮が剥がれてしまう人とがいますが、ハリスは言葉に詰まることがあって後者の様です。この点からトランプは大統領討論会を重視していますが、ここでもマスコミの政治的偏りが影響して、トランプは候補者討論会としてFoxTVを使って9月4日に開催を提案しています。討論会の目的は、ハリスの化けの皮を剥がしてハネムーンを終了させることでしょう。当然、民主党側は臨機応変ができないハリスに討論をさせたくないでしょう。しかし討論会をしない方がもっと攻撃されるので、少なくとも1回は行うはずです。
 さらに、前回のCNNはリベラルなTVだったので、今回トランプは9月4日に米国で唯一の保守系のFoxを使う提案です。民主党は、事業に成功しTVタレントだったトランプにハリスが討論で勝てないことは明らかであり、リベラルなTV局と司会者を望みますが、前回のバイデンでこのカードを使ってしまい、次回のFoxと保守系の司会者では援護が期待できません。
 討論会では重点政策が論じられますが、トランプの“米国を偉大に”と、ハリスの“妊娠中絶”とでは対象も内容も全くかみ合っていません。トランプは淡々とバイデンとハリスの国境の放置と不法移民対策を行わなかったことを攻撃し、インフレ対策案を質問し続ければ良く、ハリスからの口止め料の不正会計などの裁判の攻撃には、証言はフェイクで未だ審理中だと答えれば良く、弱点はありません。中絶問題は宗派によって異なることに口出しはしない、と答えれば十分です。
 ハリスの弱点は、そもそも政策論争を行う能力と提案する政策が無いからです。重点政策に中絶問題を選んだのは、これが宗教問題なので宗派によって答えが違うために議論できない、つまりトランプと議論しなくて済むから、とさえ思えます。政策論議をすれば、極左思想で中道派が離れることになり、ハリスの力量では触れるのが困難です。従って現時点で、ハリスが勝つには、ハネムーンを長引かせるか、バイデンジャンプを再度行うか、トランプを暗殺することですがこれは不穏です。
 結論としてトランプが勝ちます。討論会ではハリスに沢山しゃべらせて上げ足を取っていれば、ハリスのハネムーンのメッキが剥がれます。論戦から2か月後には本選挙になりますが、劣勢の民主党はハネムーンが終わる前に票を集めるためと、ジャンプに備えて事前投票をすすめています。ハリスは副大統領候補者として白人で60歳のリベラリストのワルツ知事を選び、これで役者がそろいました。米国の大統領選挙戦はすでに始まっています。選挙の結果は、日本に大きく影響します。注目をしましょう。

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