羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

自民民党総裁選立候補者の演説を聞いて

  • 2024/09/12
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 自民党総裁選挙が昨日(12日)告示され、同日に9名の候補者がそれぞれが総裁選へ向けた演説を行いました。そこでこの発言内容を私の私見が入らないように、テレ東BIZが9名の所信表明を短く2行にまとめたものをコピーし、本日の産経新聞に掲載された長文の要旨と比較し間違えていないか比較と確認をしました。次に各議員の演説に対する総裁選挙への立候補、と言う観点からの私のコメントを追加します。

 高市早苗議員:国においても、地方においても、あらゆる選挙で自民党が勝ち続けられる環境をつくって行く。そのための強い自民党をつくって行く。
(コメント)総裁選の投票者が衆参両院議員と党員であることを意識した、議員達の心に刺さる自民党と日本の改革案を述べた唯一の議員向けの演説。党員の支持率は1位が確定しているので、ターゲットは議員だけで良い。入場と演説前後の計3回に国旗に礼をしていた。

 小林鷹之議員:競争力のある産業の塊を日本各地につくって行く。人が集まり雇用は増え賃金は上がる投資を行う。
(コメント)演説は国政についての産業力強化の手法を述べ、党改革を付け足した。政策論に自民党の党勢を高める効果が有るか不明。内容が盛り過ぎで他の候補との差別化が無く、党員が小林議員に期待するか不明。

 林芳正議員:一つ一つの不安を無くし解決する政策を行う。経験と実績を日本のために使い切りたい。
(コメント)少子化、災害、外交、の3つの不安がある。それぞれへ自分の経験と実績を強調した、我田引水で他の立候補者との差が無い政策を提案。これでは直近に迫った選挙に間に合わず、議員の当選に安心を与えず、党員は3つの不安の優先順位の左派志向が不満だろう。口先だけの政治で、政治家が国民と国家のために働くという基本を理解できていない。

 小泉進次郎議員:出来るだけ早く衆議院を解散する。1年以内に政治改革、規制改革、人生の選択肢の拡大の改革を断行する。
(コメント)国民政党に建て直すために、10月に解散して小泉改革案で国民の審判を受ける。1年以内の3つの改革で、日本をひっくり返すと宣伝するだけで、具体策が無く、選択的夫婦別姓の導入と年収の壁の撤廃は、左派的な思考。11月選挙では、新総裁のハネムーン効果を狙うのだろうが、小泉議員の政策の説明と実現の能力に疑問を持つ議員や党員は心配になる。立候補時に最初に唱えた雇用規制の撤廃は、正規雇用者を減らして非正規雇用化する、と大反対を受けた。演説では触れず前言を守らないことは大いに心配。

 上川陽子議員:経済を強靭にし、日本の可能性を世界に切り開いて行く。危機克服のための変革を目指す。
(コメント)外務省の役人が書いた、日本の課題と解決目標についての優等生的な作文を棒読みした感じで、余りにも遠い将来の話題の上に、総理大臣になって自分の考えを創り実行できるか心配。内容からは議員と党員への恩恵がわからない。入場時に国旗に礼をしなかった2人の内の1人。

 加藤勝信議員:国民の所得倍増を成し遂げ、改革を加速し、新しい日本を共に作って行く。
(コメント)所得倍増の方法を、雇用条件の改善、成長の促進、同一労働同一賃金、とする。これらの基本は、産業の爆発的な成長が必要となり、これが確信できる演説ではない。ただし、非正規雇用を正規化は正しい。しかしこれは長期的な政策論で、直近の選挙での議員と党員への恩恵がわからない。入場時に国旗に礼をしなかった2人の内の1人。

 河野太郎議員:世界全体の平和と安定、共通の価値観を守るために、日本はどの様な責任を果たすか主張し、実行する。
(コメント)グローバリズムの宣伝文句のような空論で、立憲民主党でも使える具体性に欠ける内容。マイナンバーカードやコロナワクチンの推進で批判を受けたが押し通した、と強気だが未だに立ち止まって考えることはしていない、ごり押しの権力志向は独裁的で建設的ではない。国民とは無縁の政策論で、直近の選挙で自民党の勢力を伸ばせず、議員票も党員票も集まらない。

 石場茂議員:国連が機能しない時代、アジアの安全をいかに守るか、集団安全保障の仕組みを作って行くのが課題。
(コメント)国内に有る問題を無視して、国外問題に逃げている。議員と党員への恩恵がわからない。

 茂木敏充議員:成長戦略における税収アップなどによって増税ゼロにして、政策を推進し結果を出す。
(コメント)地方に半導体製造やデータセンター事業などを作ることで経済を再生して、1.5%の経済成長を得て2兆円の税収をアップし、防衛力増強と子育て支援などを行うと述べた。この緻密な成長戦略が成功するか否かは疑問であり、直近の自民党衰退の解決策としては時間がかかり過ぎる。議員望む直近の選挙の顔にはならず、党員の心を打つことはできない。

 以上、演説の相手を意識し、国民のための議員と心得ているのは高市氏1名だけで、細かな政策はすでに発表済みとして議員と党員の安心を得ることに演説時間を費やしたのは見事。経済政策をきちんとまとめたのは小林氏と加藤氏と茂木氏だが、加藤氏は国旗への礼を欠き、茂木氏は党の顔にならない。前評判の高い小泉氏は議員が恐怖する解散を焦り過ぎて空気が読めていない。相手が有る外交に逃げた上川氏、河野氏、石場氏は、議員の心配に配慮できていない。林氏はいぶし銀のようだが、もたもたして演説に切れが無い。

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