羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

核兵器はお飾りになったか?

 ウクライナ軍がロシア領深く侵攻し、戦略的拠点を占領してロシアの攻撃からウクライナ領を守る緩衝地帯をロシア領内に作ってしまい、9月21日現在もロシア領に留まっています。この侵攻は、ウクライナにとっては軍事的な勝利である以上に、この侵攻がウクライナに対するロシアの核報復が無かったことに、大きな意味が有ります。一方これは 中国と北朝鮮の核兵器に対する日本の抑止方法の再吟味を要するきっかけです。
 これまでNATOや米国の西側諸国は、ウクライナへ援助した兵器を使ったロシア領への直接攻撃を禁じてきました。これは、ロシアが西側諸国の援助した兵器を使ってロシアを攻撃すれば、ウクライナとNATOを核兵器で報復するとプーチン大統領が脅していたからです。しかしこの度、ウクライナは核攻撃される危険を冒して8月6日から侵攻作戦を行い、最近は多数の国産無人機でモスクワを攻撃しており、西側から与えられたF-16戦闘機を戦闘に参加させています。
 今のところロシアはウクライナを核攻撃していません。これは、核兵器を使用する閾(しきい)が高くなったからのように見えますが、そうでは有りません。西側諸国が考える核兵器使用の閾とは、核兵器の使用が民間人の被害が大きいという人道的な理由です。しかし、KGBで育ったプーチン大統領は冷酷で、そのような人道的な閾が有りません。
 ソ連邦時代から、ウクライナはロシアに匹敵する工業力を備えていたので、独立を望み、事ある毎に反抗する国でした。従って、プーチンにとってウクライナ人を殺すことは気にならず、核攻撃への人道的な閾は有りません。それでもウクライナを核攻撃しないのは、核兵器の使用が西側国からの制裁とウクライナ領内に住むロシア人の被害と言う損失の方が大きいからでしょう。
 その上に、ウクライナはロシアの戦術核使用に備えて、兵力や工業生産などを日本に匹敵する面積の国内に広く分散させており、数か所の戦術核攻撃では戦争終結への効果が有りません。逆に西側供与の長距離兵器で反撃されて、ロシアにも大きな被害が生じます。もしウクライナの分散配置された軍隊を全て潰す核攻撃をすれば、米英仏からの報復の戦略核攻撃でロシアも壊滅的な打撃を受け、第3次世界大戦のきっかけにもなります。つまりウクライナに対して、ロシアの核はお飾りに過ぎなかったのです。

 それでは、この核の問題を日本に対する中国や北朝鮮の核兵器に反映してみましょう。まず、中朝両国はウクライナに対してロシアが核兵器を使えなかった様にはなりたくなく、せっかく作った核に実際に効果を持たせたいはずです。さらに、両国の中華思想は人道や国際世論の上に在り、間違えた歴史解釈と儒教で日本人を蔑視し、3世代にわたる反日教育で国民全体が日本への核攻撃に人道的な躊躇が有りません。従って、核兵器は開戦の初期段階で使ってお飾りで無いことを見せた上で、日本に降伏を迫るでしょう。
 さらに、両国は既に孤立しているので外国からの反対に影響されず、核の使用の閾を越えるのは容易です。その上に、日本が頼みとする日米安保条約は通常兵器までは使うかもしれませんが、核に対してはトランプでもハリスでも、自国の利益と危険から中朝への核報復はしないでしょう。従って、中朝の場合核は、現時点では使って効果が有る兵器です。
 一方、日本は長距離精密攻撃兵器の大量投入が核攻撃を中朝に思い止まらせる効果が有るのでは、と大至急で長距離ミサイルを導入しています。日本がこの様に焦っているのは、両国の経済が崩壊しかかっていて独裁政権の維持が難しく、国民の気を逸らすために日本を先制攻撃する危険性が極めて大きいからです。
もし、習近平主席が日本に戦争を仕掛けるなら、中国国民の意識を外敵に向かわせる政治的効果と、太平洋への出口を創るために台湾と先島諸島を占領した上で、核兵器で脅して米軍撤退と内外資産の没収などの目的を達します。北朝鮮の場合は、通常兵器では日本に敵わないので、数発の中距離核ミサイルで四国の高松や山陰の都市を先制攻撃して、中国と同様の要求をするでしょう。
 この様に、もし長距離ミサイルの配備が間に合ったとしても、期待する程の抑止効果は得られないでしょう。日本にとって、中朝両国に対する効果的な防衛手段とは、中朝と同じ兵器を持つことです。つまり、核ミサイルを十分な数を備蓄し、分散配置しておくことです。
 繰り返しますが、中朝の核はロシアの様なお飾りでは有りません。さらに、中華思想と捏造された歴史を信じる指導者と国民の民度は残酷であり、日本を核攻撃することに躊躇しません。日本が持つべきは、お飾りでは無くて、発射のボタンを押せる総理大臣と、十分な数の核ミサイルを持つことが、中朝に対する日本の抑止力であり自衛力です。
 しかし、日本には核アレルギーが有り、核兵器保有を議論することさえ難しい状況です。一方、中国と北朝鮮の指導者は権力維持のために、日本に戦争を仕掛けて失政を隠そうとする可能性が大いに有ります。この事態、皆様いかがお考えですか。

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