イスラエルとサウジアラビアの国交正常化ハマス攻撃で崩壊?日本は?
中近東で争いの原因となることが多かったイスラエルが、米国の後押しで来年の始めにはアラブの盟主のサウジアラビアと国交正常化の条約を締結するとのことです。イスラエルは3年前にはアブラハム合意と称する国交条約をUAE諸国と締結し、かの国々との貿易量を13倍に伸ばしていました。
この時はサウジアラビアはこれには乗ってこなかったのですが、サウジ・イスラエル和平は大統領選でのポイントになるからと、民主党の筋書きに乗ったバイデンは昨年6月にサウジアラビアを訪問し、今年の9月20日に国連総会に出席していたイスラエルの首相と会談をしました。これがこの度のサウジ・イスラエルの国交正常化の布石だったのでしょう。
問題は日本にとってこの動きがどう影響するかです。注目点は、日中間の台湾・沖縄有事への影響、次いで、日米、そして韓の影響です。どんな影響が有るかといえば、民主党は軍需産業と深く結びついており、常に金儲けのきっかけを政治的に作ろうとするので単純ではありません。中東和平の裏には、次の手が用意されています。
さて、サウジ・イスラエルの和平には当然ながらイランは檄怒します。かつて米国はイランの核開発を止めるために、韓国がイランから買った石油代金の60億ドルを凍結していました。しかし民主党は凍結を解除をしてこのお金を使えるようにして、表側はイランに捕らえられている米国人5人の人質を解放するため、としましたが、実際はサウジ・イスラエル和平へのわびを入れました。
イランはこれを使って、核兵器の製造に拍車をかけ、子分のハマスは10月7日にイスラエルに奇襲攻撃をかけました。一見、民主党は間抜けに見えますが、さあ、どうでしょう。次のどんでん返しです。
ハマスの攻撃は、イスラエル領にロケット弾約3千発を発射した飽和攻撃で、ドローンを使った戦車の破壊、民間人を人質として拉致などを合せて、イスラエルの死者は奇襲を受けた時点で700人を超え、ハマスは軍事的な成果を上げています。一方、 “目には目を”のネタニヤフ首相は、パレスチナ人の住む地域やガザ地区を空爆して、これも400人以上の死者です(BBC10月8日)。
このロケット弾攻撃でイスラエル人以外にも、米国、ドイツの民間人も死亡しており、戦域は拡大しています。これで中東和平は遠のき、米国は空母打撃群を東地中海に派遣、航空兵力も増強などで中東から離れることが出来なくなりました。これで米国はウクライナと中東の2か所で自ら戦争を抱え込んでしまいました。
日本にとっての問題は、中国の台湾侵攻と沖縄占領です。中東の平和は、ウクライナ戦争で底を突いた米国の軍事備蓄を回復し、台湾海峡に空母を呼び戻して中国ににらみを利かせることを期待しましたが、一見、逆の悪手を打ち、60億ドルをイランにおくって中東を不安定にして、中国に戦争開始のきっかけを与えました。平和の使途になるはずのバイデンも激怒したでしょう。しかし民主党はバイデンを見限っており、どうせトランプに負けるならと軍需産業の利益を優先したのでしょう。このバイデン見限りと3カ所目の戦争で、金儲けをするのが民主党と軍需産業の本音です。
イランに金を渡せば、中国が台湾と沖縄に侵攻することを民主党は織り込み済みで、結果的に日本と台湾にも武器が売れることになり、民主党と軍需産業は韓国の60億ドルを有効利用しました。結局、今のところ世界平和は民主党の手の上で踊っています。大統領を擁しない共和党は今は民主党の傀儡の役立たずです。
さて、次はこの中国の台湾侵略戦争を、どこが勝つかです。台湾進攻で中国が欲をかいて沖縄諸島に手を出せば、日本は参戦できるので、海上自衛隊が台湾を東西両面から逆封鎖して、台湾と沖縄に侵攻した中国陸軍は孤立して中国は負けます。
しかし台湾にしか手を出さなければ、日台間には相互防衛条約が無いので、台湾支援が出来ず孤立した台湾は負けます。この結果、台湾海峡、バシー海峡、台湾沖などの海上輸送路を中国に妨害され、貿易に困難を来たした日本は衰退します。米国が参戦すれば日本は台湾支援ができますが、台湾と日本が負けた方が軍需産業が儲かるので、核で中国に脅されることを言い訳にして参戦しないでしょう。
それでももし、自衛隊に防衛出動が令されれば、海上自衛隊が攻撃の切り札となります。海上自衛隊は、潜水艦を18隻から22隻に増やし、試験艦と練習艦の名目で就役艦を30隻まで増やす余裕が有るとのこと、および汎用のFFMもがみクラスを12隻と、新型のミサイルフリゲートFFGを12隻作る計画です。根本課題の人員不足の改善で、隊員の処遇改善にも努めています。この他に、旧式とは言え能力を更新しているトマホーク巡航ミサイルの購入を、1年前倒しにするなどで焦っています。
それでも、米民主党が先手を打って中国をけしかけているので、これらの増強が抑止力となって思い止まらせるのに間に合うか、心配です。