羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

明けの明星と最小公倍数

 この夏から、毎朝5時ころから1km弱を大股でリズミカルに歩いています。秋分の日を過ぎてからこの時刻の空は、日に日に暗くなりここ数日は真っ暗です。「東京は星空が見えない」と言いますが、私の住んでいる恵比寿からでも、空気が澄んでいれば明るい星々は見えます。
 今、朝5時に東の空に見えている金星は、“明けの明星”ですが、地球と金星の関係が変わると同じ星なのに、名前が変わって“宵の明星”になります。これは金星と地球の公転軌道の周期の違いで起こる現象です。下の図を使って説明いたします。

 下側の小円は地球です。上側の大円は金星の公転軌道です。今は明けの明星で見えるので、金星は図の右半分にいるわけです。金星の公転軌道は地球から見ると太陽の近くなので、北か南にずれますがほぼ東の空で、太陽光を反射してあの明るい星になります。
 この金星が「明け」になったり「宵」になるのを計算するのは、結構面倒です。そこで平塚市博物館がお答えをしてくれています。それは、地球時間で8年間に金星は5回「明け」と「宵」を繰り返すそうです。これは地球の公転周期が1年なのに対して、金星の公転周期は225日、0.616年です。つまり、金星と地球はそれぞれ13回と8回公転するごとに同じ位置関係になりますが、これは小数点以下4桁目までの計算です。精確にはそれぞれの公転周期の最小公倍数を求めることになりますが、切りが悪いのでこんなものでしょう。
 最小公倍数は中学の1年、だと思う、に算数で習います。天体物理とか、物の動きとか、基礎的な物理現象は中学校の算数の前半で習います。高校まで行くと、数学は身の周りの物理学に関わる現象とは無縁になってしまい、頭の中の問題を解くことになります。私たちの身の回りの現象は中学の算数で十分だということです。
 さて、東京の朝5時は、夜明け直前の空がうっすらと明るくなり始めた時です。帰って来る5時半にはかなり明るくなり、雲が見えるようになり太陽が昇る場所が分かるようになってきます。金星は明るさを失って、街灯よりも暗くなり昼が始まります。今は、最低気温が16℃、最高気温が23℃、と、1年で一番過ごしやすい時です。今年は秋の期間が短くて、もうすぐ冬になりそうです。皆様もお体御自愛ください。

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