羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

2100年の日本を創るのは、現在中学~大学の青少年たち(新日本2100計画 3)

 日本の若者達は高度な教育を受けており、それぞれに自己を啓発し、職業に魅力を感じていて、結婚が遅れています。さらに結婚をしても、子供を育てるには夫婦共働きの収入が必要、と言う低賃金環境では出生率が下がります。このままでは、合計特殊出生率は増加せず、2100年には人口が4千万人以下に減ることになります。
 西暦2050年頃は、今後の日本の運命を決める大事な時です。日本は人口が減り続け、フィリピンや東南アジア諸国は出生率は高いままで人口が日本よりも多くなる時です。また、中国は出生率が日本よりも大幅に低くても、母数となる人口が日本の10倍で若い労働力を残しており、安い労働力を輸出して日本の1次、2次産業に影響力を行使できます。
 一方、この時も日本は出生率1.3のままで、少ない若者にとって高齢者の世話と、医療・介護の税金の負担がおおきいでしょう。実際に令和3年度でさえ、国家予算の3割の15.6兆円が医療・介護費に使われ、その大半が高齢者に費やされていることは、病院の待合室の大半が高齢者であることを見れば明らかです。税の使途は病院や老人ホームなどの人件費が多く、次いで機器や医薬品の代金でしょう。
 そこでもし、これらの人件費と医薬品の3~4兆円を生産的な産業の振興に振り向けることが出来れば、日本は税収が増えて所得税の減税により給料が上がり、人口と経済力が上がってGDPと出生率が増える、正のスパイラスを起こせるかもしれません。2050年代は、こんな良い動きを始めなければなりません。
 さて、人口4千万人は江戸時代末期の人口ですが、ランチェスターの2次法則では4千万人では経済や軍事などの国力は、2023年現在の人口1.3億人の9分の1となります。それにもかかわらず、2100年の日本国は周辺国からの干渉を受けずに自立できる、2023年並みの国力を維持したいのです。

 この図は、2020年における日本人口の年代構成です。45~49と70~74歳に2つのピークがあるのは、第2次世界大戦の終了による第1次ベビーブームが70歳台、そしてその子供達の第2次ベビーブームの40歳台、がピークを作っています。第2次ベビーブームの世代は現役バリバリで、管理職として日本をけん引しています。
 そして第2次ベビーの世代の部下となるのが、現在5歳~25歳の人達です。さらにこの世代の子供(マイナス15歳~5歳)が2100年において、新日本を創造する時の親となり、マネージャーとなります。
 つまり、現在小学生から大学生たちが親となって、彼らの子供の世代と共に2100年の新日本を創り上げるのです。彼らの姿を私達は目にしています。私たちは彼等をしっかりと教育し、彼等が暮らす社会を整備しておくことが責務です。この“教育”をどの様に行うか、今後数世紀の日本社会の方向性を彼らに託すことになるので、非常に重要です。
 教育は、歴史に基づかなければ方向を誤り、社会を動かす実学に基づかなければ教育の成果を出ません。現在の日本は空理空論に走るいくつかの県の教育委員会を除き、大半の県の教育委員会は政治的に中立で、一般家庭でも伝統の価値観に基づいて教育がされています。子供達には歴史感を持ち実学の効果を期待しましょう。
 2100年以降、出生率を2.2に改善し維持できれば、年齢ピラミッドは幼児の人数が最も多く、年齢と共に少しずつ減る、釣り鐘型になるでしょう。この時に大事なことは4千万人口の江戸時代末期の様に、食料を自給自足していることであり、これは後のブログで書きます。
 加えて、安定した産業と経済と、外部からの侵略を思い止まらせるだけの軍事力を持ち、政治と外交は他国の内政に関わらないことです。これはすでに、スイスや北欧諸国などが部分的に実施している鎖国政策です。
 お分かりになるでしょうが、この様な理想的な国家にするには、スイス国民が皆兵制を受け入れている様に、全国民が同じ目的に向かうことが必要です。しかし、これは全体主義と紙一重であり、歴史を重視する偏らない教育が全体主義に陥らない保険となり、権力集中を起こし難いが決断を実行しやすい立法と行政の制度を創るという、難しい作業を今から行っておくことです。

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