トランプ関税の真の目的
トランプ大統領の関税政策はマスコミの評価は悪いですが、アメリカ第一の彼は低価格の輸入品に負けている国内産業に、復活の機会を与えようとしているものです。また、この関税は日本にとっては財務省解体と消費税廃止の2つを期待できて、決して悪いばかりではありません。この政策の進捗は、数日前にドジャース球団がホワイトハウスを訪問した際のトランプの異常なほどの上機嫌と手厚い接待をしているのは、関税政策が思惑通りに進んでいるからでしょう。見て下さい彼の笑顔を。
しかしトランプの失敗を望むマスコミは、相殺関税を90日間延期したことを関税政策が失敗したからだとしていますが、そうではありません。トランプは4年間の任期中に、まず米国内産業を再生し、次にリベラルな司法立法行政を中間あるいは保守にすること、そして議会を共和党優位にすることです。1年目の現在は国内産業の活性化と物価の安定のために、他国の保護貿易侵略を止め、民主党にダメージを与える長期計画の第一段階と捉えるべきです。
関税政策は、国内産業に対するトランプ政権の保護の意識と、他国による貿易赤字が不快であることを示すことが目的ですから、株価が下がってもトランプを支持する労働者達は株を持っていないので無関係です。株価は1年後の米国議会の中間選挙の時には元に戻して景気の復興を印象付けるでしょう。
相殺関税をスタートさせて、各国が慌てて「保護を撤廃するから関税をゆるめる交渉をして欲しい」と対応を示しいるのも計画通りで、現在は基盤の10%を残して上乗せ分の相殺関税を90日間延期しています。この10%は、交渉次第では相殺関税は躊躇なく実施されるという、心理的効果を狙うもので税収を増やす実利も有り、トランプは世界経済を手玉に取っています。
トランプが真剣なのは対中国外交と貿易です。中国に総額が145%の関税を課したのは、戦争をせずに中国の政治と経済を崩壊させて清王朝の時代に戻そうとしているからです。関税は手段の一つに過ぎず、この他にWTOによる自由貿易体制から追い出して他国との物流を遮断し、高性能半導体の製造を邪魔し、留学生を追い出しているのは、最終的には交易や情報交流を断つのだから、関税が200%でも300%でもどうでも良いわけです。中国共産党の一番愚かな点は、この関税をディール(経済取引)と思っていることで、これはポリティクス(政治)だと言うことに気付いていないことです。トランプが中国が独裁でも民主主義でもどうでも良いことに、中国人全体が気付いていないことは大きな問題ですが、これもどうでも良いことです。
この強制鎖国状態は内政干渉を無くすので、習近平政権は独裁体制が保護されて国内の反乱抑圧に専念出来てかえって喜んでいるでしょう。鎖国下でも中国は巨大な国土と人口を持つので、内需だけで生きのこれるのです。北朝鮮が出来ることですから、中国が出来ないわけが有りません。今後のこのシン米中関係下では、各国は中国に取り込まれて取引したり迂回貿易に加担しない様に気をつけ、さらに中国国内のチベットやウィグルなどの弾圧には目をつぶる必要が有ります。
すでに中国の迂回貿易路として、カンボジアが49%、ベトナムが46%の関税を課せられています。日本に対する相殺関税24%は、日本の非関税障壁22%と相殺するために課されています。こんな時に、対米交渉役として無名の赤沢経済再生担当大臣を送り出したところ、関税政策を重視するトランプ大統領が直々に出て来てしまいました。米国の本気度を見誤った石破首相は慌てて「いずれ会いたい」などと言っていますが内閣全体が能力不足です。下の写真は自らを「格下の格下」と呼ぶ赤沢大臣とトランプ大統領との写真ですが、大谷選手との写真に比べてトランプは腹に一物を持ち、身構えている様に視えます。繰り返しますが、日本は消費税を無くさなければいつまでも高関税で苦しむことになります。赤沢大臣、無防備に笑っていますが、日本に帰って財務省との駆け引きが出来るのですか。
次にトランプ大統領の国内政治です。来年までの政治目標は、2026年の中間選挙向けに民主党の資金源を断ちマスコミの力を削ぐことです。トランプ関税は国内産業の支援だけでなく、グローバリズムの民主党が創り上げた多国籍企業の国際間の迂回取引による金融と貿易の減税対策をストップさせます。さらに関税による一時的な株価下落や景気後退は金融資本の産業支配力を奪い、これも計画通りでしょう。
USAIDの解散で、戦争を望む軍需産業には戦争継続の軍事援助が断たれ、国際間での病気を望む医薬品業界への資金を断つと共に、政権No.2のロバート・ケネディJrを保健福祉省の長官にあてて、危険な医薬品とウィルスの開発を禁止し、医療費高騰を防ぐために関税で高価な薬品の輸入を遮断します。この様に、関税政策は国際間の取引で利益を得るグローバリスト陣営にダメージを与え、民主党の選挙運動の資金源を断ちます。
マスコミに対しては、捏造ニュースを創り出すTNI(Trusted News Initiative)へのUSAIDからの資金を断つことで、新聞やTVの情報操作の司令塔を潰します。この結果、取材力が劣化したマスコミの記事内容は誤りが増え貧弱となり、信用を落としネットにニュース配信の地位を奪われます。
さらに、民主党の選挙戦略が、DEI運動による多様性重視と弱者保護キャンペーンで黒人、女性、移民からの票を集め、不法移民に投票権を持たせることですから、金融資本を封じ込めてマスコミ支配を無くすことと、USAIDを使った脱炭素や弱者保護に名を借りたDEI運動への支援停止が効果的です。
国内経済政策としての脱・脱炭素による国内石油の再開は、石油産出国の反感を買うので、中東諸国の反感に対しては脱イスラエル支援でバランスをとるのでしょう。さらに、石油価格の低下とウクライナ戦争の終結は、EU諸国間の協力関係を弱くして対米貿易交渉ではEUは切り崩されます。
それでも、脱・脱炭素でEVの売行きが落ちて、トランプ政策の要となるイーロン・マスク氏の持つテスラ社の不調が大きく報道されています。マスクにとってテスラ社は巨額の資産の一部に過ぎず、彼の経済基盤への影響は小さく、宇宙開発技術は世界一であり、情報サービスは政治的に中立を保っており、オールドメディアに頼る民主党とディ-プステートには反撃の力が有りません。
そして、来年の中間選挙までは民主党を支援する極左資本家のジョージ・ソロスとの戦いになるでしょう。トランプ大統領がどの様な手を打つか、今後1年間の最大の見ものです。