泥鰌は丸の鍋か柳川か その2(飯田屋)
このテーマ名、本物好みの方からは「泥鰌は丸の鍋に決まってるだろ。骨抜きの柳川は下戸の食べ方だ」とお叱りをうけます。私も叱る方です。
泥鰌鍋の食べ方は、ひたすら煮込むことです。昔の駒形どぜうでは、大きめのネギ箱が空になるまで、じっと酒を飲んで待つのが“作法”でした。その間、近所の旦那衆は、卵焼きとか鯉の洗いを注文するでしょう。しかし、学校勤めで給料が安い私は、随分とやせ我慢をしていました。幸いに、駒形の日本酒は大変に美味しく酒を舐めながら待つことが出来ました。友人には、駒形どぜうの酒が東京で1等賞で、2等賞は麻布十番の「更科堀井」と触れ回っていました。両方共にお店ではに安い方の酒です。
そんなわけで駒形にしか行かなかった私も、昨今の観光ブームで泥鰌鍋が1杯で4000円になって行くのをやめました。昔は今の感覚で800円くらいだったと思います。それが2年前に1500円を超えてあっという間に鰻並みの値段になってしまいました。駒形の泥鰌ならどこかの鰻の方が良い、と移った先が国際劇場の裏ての「飯田屋」です。

飯田屋は近くに住む甥っ子の進めも有り、行ってみました。池波正太郎も行っていた店です。飯田屋には、泥鰌だけではなくて、鰻も目的で行きました。泥鰌屋は本来は川魚料理屋です。従って、泥鰌と鯉と鰻がレパートリーです。飯田屋は小ぶりな店で、適度な込み具合で、最初は泥鰌鍋とうな重を頼みました。
泥鰌鍋は、最近の駒形がネギを皿に盛って出すという伝統破壊をしたのに対して、こちらはネギを昔ながらの木箱に入れて出てきます。お酒はまあまあで、ネギの箱は駒形の半分くらいで小さかったのですが、これを使い切るまで煮込んでも残念ながら骨が少し口に当たるのと、割り下が少し薄すぎました。どうやら、泥鰌鍋は駒形の方が上です。しかし鰻並みの値段では駒形には行けませんね。私がもう少し元気だったら、ほんの少し骨が残る飯田屋の鍋で良し、とするでしょう。
ところで、給仕のおばさんが自慢する通りに、ここの鰻はとても美味しいです。鰻は大きくありませんが国産で安全で美味しく、味は南千住の尾花に匹敵します。値段はリーゾナブルで鰻1本半で5千円強でした。尾花はいつかブログに書きますが、最近行っていないのでもう一度行っておかなければなりません。とにかく、味は尾花に匹敵して安いです。
昨年の夏は4回行って、3回は柳川とうな重の組み合わせでした。柳川なんて言う下戸の食べ物を注文したのは、鰻だけでは申し訳ない、と泥鰌屋さんへの礼儀です。今年も梅雨が終わったら行きたいです。
