羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

電磁波対策の理論

電磁波の対策にはいくつかの方法があります。注意しなければならないのは、電磁波には強さだけでなく、周波数によって影響力が違います。低い周波数を低周波、高い周波数が高周波です。周波数によって身体への影響の仕方が異なり、また対策方法も異なります。
 この対策方法について、今後何回か方法を変えて説明をいたします。

【電磁波吸収体】

 電磁波吸収体は、インピーダンスを空気と同じ377Ωに調整した材料を使って電磁波を吸収体の内部に浸透させ、吸収します。言ってみれば、電磁波には気付かぬ様に材料の中に入らせ、入ったら吸収してしまうものです。吸収体は、磁界の通りやすさを表す透磁率の大きなもの、あるいは電界の通りやすさを表す誘電率の大きなものを使います。一般に、透磁率と誘電率に比例して、電磁波の損失率がそれぞれ大きいので、これ等は吸収体として使うのに向きます。もう一つ、電界と磁界によって発生する電流を抵抗で吸収する方式も有ります。吸収体の中に入った電磁波はいずれも熱としてエネルギーを失い、吸収されます。
誘電率や透磁率の高い材料の中では波長は圧縮されます。この材料で吸収体を波長と同じ厚さに作ります。携帯電話用の波長が30cmの1GHz近辺では、誘電率を100程度にすれば数mmの厚さにできますが、波長の長い低周波用の電磁波吸収体は誘電率の大さに限界が有り、厚くなります。波長が300mの1MHzでは数cm以上になり、これ以下の周波数では価格面も含めて、実用的な電磁波吸収体を作るのは難しくなります。

【シールド方式】

 空間インピーダンスが急に変わると電磁波は反射される。この原理を使って電磁波を遮るのがシールドです。導電性の布や、空間インピーダンスがゼロの金属板を使うと、電界の鏡像ができて電磁波は反射されます。しかし、金属が途切れれば、電磁波は進路を曲げて金属を迂回して端の所から金属の裏に回りこみます。この結果、端の部分の電磁波の強さは倍近くに強くなります。シールドで囲われていても、金属板に隙間、特に電磁波の偏波面と同じ向きの隙間、が有ると電界は隙間を通して浸入します。従って、完全なシールドを行うシールドルームは、全ての隙間を塞いであります。なお、電界の侵入を防ぐシールドでは磁界の侵入は防げません。完全なシールドには、磁界の侵入も防ぐ必要が有ります。磁界の侵入を防ぐには反射ではなくて、磁界を通しやすい高い透磁率の鉄などでシールド空間を覆って、内部に磁界が漏れないようにします。
 電磁波対策用品のエプロンや腹帯は、シールドの一種です。いずれ詳しく書きますが、かつては効果の有る物もありましたが、現在市販されているエプロンは役に立ちません。いずれ、ページを改めて、詳しく理由と説明をします。

【アンテナ方式】

 金属の棒を波長の半分の長さにして、その中央を切断して抵抗で接続すると、電磁波の吸収体になります。これはダイポール型のアンテナと呼ばれるもので、電磁波の偏波面と同じ向きであること。棒を太くすると共振する周波数は低い方にシフトして広くなるが、共振の効率(強さ)は低下する。などの細かな条件が付きます。
 アイ・ピピはこの電磁波を吸収する方式です。妊婦が電車や自動車で移動している際に、お腹の上に置かれた携帯電話やスマートフォンが基地局と更新する際の電磁波でお腹が被曝します。この対策として、携帯電話とアイ・ピピとお腹を近傍界条件で設計を行ったアンテナで、電磁波を吸収し、お腹の被曝を100分の1以下にします。
これに対して、ウェーブセーフは通話時の頭部の被曝を減らします。スマートフォンを耳に付けて通話する時は、電話機が出す電磁波が直に頭部と共振して送信されるため、頭が被曝します。スマートフォンが放射する電磁波を、方向を頭から手に変える導波器で、電磁波を吸収せず通話に障害を起こしません。

【その他】

分類の仕様の無い電磁波対策品が出回っています。1cm程度の小さなボタン状あるいは数cmのシール状の品物で、いずれもスマートフォン・携帯電話、あるいはその他の電磁波製品に貼り付けで使用する、とあります。これ等の品物は、電磁気学と携帯電話の通信方式から科学的に検証すると、電磁波対策と呼べる効果を見つけるのが難しく、もし少しでも効果が有ればそのために通話に障害を及ぼします。詳しくは、ページを改めて、ご説明をいたします。

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