中国民衆が手にした放射線測定器が、国難を導く
前回、9月1日の「中国民衆が、身の周りの放射能汚染に気付きそう」の続きです。
中国の民衆は、不景気から目をそらさせよう、と政府が行った処理水へのいちゃもんにしばらくは乗っていました。しかし、ガイガーミューラー放射線測定器を買って水産物の残留放射能を測ろうとする者が現れました。ただし、魚が泳ぐ海水は1リットルあたり0.5ベクレルしかなく、魚の体の水分も同じなので、魚の水分からの放射線は出て来ないので測定器はウンともスンとも言いません。
そこで民衆は身の周りの放射線を測り、放射線に関する情報をネットで調べて公表するようになりました。この結果中国民衆は政治家達の言うトリチウム水は無害で、非科学的で嘘であることが分かります。しかし、その中の少数は、日本と比較にならないほど国土が汚染されていること、この処理水騒ぎの意図が国内の経済政策の失敗を隠すのが真の目的であったこと、に気付くことになります。
1万円以下の小さな放射線測定器持った沢山の民衆が身の周りの放射線を測定し、ネットワークで情報を集め、共有し理解することで真実を知るきっかけはいくつも有ります。政治家が目論んでいる隠しごとと、民衆の不満をその場は抑え込めても、日常的に身近に放射線源が有れば、不信は醸成されてゆくでしょう。
【原潜沈没事件】
数日前、台湾海峡で中国原潜が沈没したとの噂がでましたが、これは偽情報の様です。しかし、2019年11月22日には原潜基地の有る海南島の近くの海中50mで核爆発が起きた、と言う話が有ります。これは事実の様で台湾海峡の事故よりも深刻です。中国はこれを隠しており、知っているかもしれない米海軍と海上自衛隊は、この軍事秘密をしゃべりません。
しかし、南シナ海のこの海域の魚は核物質で汚染されています。処理水問題で民衆が放射線測定器を手にしたことで、いずれだれかの放射線測定器が秘密を暴くでしょう。原潜の原子炉が爆発して、環境に数千~数万年後まで放射能物質を広めたという、重大な環境破壊を政府が隠していたことは、国際的な大問題です。海流の下流にあたる日本は、注意を怠ってはなりません。
【福島原発よりも中国と韓国の原発の方がトリチウムをたくさん出している】
両国の民衆は、福島原発沖の海流に流されたトリチウム入りの処理水は、8年後まで帰ってこないが、その時には処理水は雲散霧消に薄められて危険性が無いことに気づきません。もう一つ、トリチウムは生物濃縮されないことの2つについて、今のところ理解が不十分で、一部が騒いでいます。
しかも、中国原発は年間534兆ベクレル、韓国原発は255兆ベクレルを南シナ海と東シナ海と日本海に放出していることは、国際的には衆知ですが、中国と韓国の民衆は嘘だと思い込んでいます。この民衆の洗脳がバレた時、もっと強い漁食忌避パニックと政府への不信が始まるでしょう。
【東京よりも上海の方が放射線が強い】
中国のネット民が東京と上海の放射線汚染を比較して公表しました。この値は毎時の放射線量で、1年間分を加算すると、東京の空間放射線量は世界の平均程度ですが、それでもWHOの規制値の年間1ミリシーベルトのギリギリ下です。
ところが上海の空間放射能は約1000倍近いとネットで公開された値は、年間線量が1シーベルトとなり、がんによる確実な死の放射線強度です。こんなに大きな値は有り得ないので、このネット情報は嘘かもしれません。しかし、次の原因で本当に建物が放射能汚染されているかもしれません。
【放射能汚染した鉄材】
医療用のガンマ線源のコバルト60が混入した鉄筋が、台湾でアパート建築に使われ、住人の年間被ばく量が15ミリシーベルトを超える部屋が69戸あり、最大が169ミリシーベルトでした。WHO規制値の年間1ミリシーベルトの15倍は、長い時間をかけたがんによる死です。また、混入の実例として、日本のブリジストンが作った中国製の自転車の前かごのステンレスに、コバルト60が混入していた例も有ります。
中国は世界中から金属スクラップを輸入しているので、混入事故が起きる危険性は台湾以上に高いです。あるいは、台湾の建物の鉄筋は中国製かもしれません。上海のネット民が測定した、東京の約1000倍の空間放射線強度は、測定した建物の鉄材が台湾以上に強く汚染されていたからかもしれません。
今後、放射線測定器を購入した中国民衆が自分の部屋の放射線量が異常に大きいことに気付くことで、全国で放射能汚染の鉄筋が見つかるかもしれません。この他にも不法投棄された医療用の放射線源や、核兵器製造工場が廃棄した被曝した鉄材など、ずさんな管理が、この小さな放射線測定器で見つけ出されるかもしれません。
ここに至って、今まで放っておいた医療用や兵器用の放射性物質汚染が見つかることが、政治家にとっての最大の恐怖となるでしょう。経済不満のガス抜きのために、処理水を汚染水と呼んだことが、悪手だったと思っているかもしれません。