マイナンバーカードは便利なだけでは無い

　マイナンバーカードＭＮＣは磁気メモリーとIＣチップ付きのプラスティック製です。顔写真付きの表面は、目視で本人の確認を可能とします。裏面のIＣはＭＮＣサーバーとの通信役で、サーバーにはキャッシュカード、クレジットカード、ポイントカード、免許証、保険証、公的な資格証、社員証、今後増えるその他、などの代わりとなり、財布を厚くしていたカード類を１枚に圧縮します。
　サーバーはこれらのカード類間の紐付けの機能を持ち、あまり良い例では有りませんが、ある方が亡くなった時に、家族がＭＮＣを使って故人の複数の銀行の預金残高をまとめ、家族が知らなかった通帳を探し出して隠れ財産を利用可能にしてくれるのと、相続税の計算が楽になるという、データ間の横の広がりが有ります。あるいは、病院の診療記録と診断の経過、投薬の状況など時間的に縦の情報を集めて、これに他の病院と薬局からの治療や薬の情報を得られます。そして、最初の目的であった公的な本人確認、身分保障、納税手続き、印鑑証明、これ1枚で可能になります。
　サーバーへの負担はそれほどではなく、例えばキャッシュカードで金銭の出し入れをしても、計算は銀行のサーバーが行うので、ＭＮＣは結果を示すだけです。それよりも、医療などの情報を含むので、サーバーのセキュリティレベルは国家機密並みとなるでしょう。つまり、サーバーは検索と記録の機能が優先で計算機能は殆ど無いでしょう。

　今のところ、財布を厚くしている病院や医院の診察券は組み込んでいません。健康保険証だけです。しかし、初診時に健康保険証の資格審査を審査機関に確認しており、診察後に電子カルテを送って診療費や薬剤費の承認を審査支払機関から受けるので、サーバーには本人と電子カルテが保存されます。
　２回目以降は、医院の受付ではカルテを探し出すために診察券番号が必要ですが、この時に受付からＭＮＣ情報を審査支払機関に送れば、カルテ番号を送り返してくれるので、実際には診察券は不要です。実はＭＮＣはすでにここまで準備ができており財布はもっと薄くできるのです。それでも皆さん、かかりつけ医以外の病院の診察券が無くなったら、どこの病院へ行ったらよいのか思い出せますか。
　と、ここまでが、本人がまっとうであれば受ける恩恵ですが、それでもカード類を登録して紐づけしておかなければ、恩恵は受けられませんからご注意です。

　次は、個人では無くて国家財政への利益を書きましょう。その一つは、健康保険証の成りすましと使いまわしを防ぐことです。この不正利用は、在留資格を持つ外国人が、健康保険に加入して紙の保険証を入手した上で、別人がこの保険証を使用する、あるいは多人数で使いまわすことです。これは現在の保険証には本人確認は性別と年齢しか記入欄が無いので、成りすましが容易だからです。
　日本の医療技術は世界トップクラスであり、かつ保険で国家が医療費の大半を負担しているので、保険証を持っていれば高度医療を受けることが出来るのです。現在、保険制度を悪用して高度医療を受ける、違法な医療ツーリズムが可能です。現在、日本国内の病院は、待合室の大部分が高齢者ですが、地域によっては外国人が多数の所も有ります。病院では保険証の本人確認手段が無いので、誰が本人で誰が成りすましか分からないのだそうです。
　そこで、保険証がMNCに組み込まれると、ＭＮＣには写真が付きますので、この不正は難しくなります。ところが、紙の保険証をMNCに組み込むことに反対し、次に、紙の保健証の併用期間を伸ばし、さらに、本名だけの記入を嫌がってＭＮＣには通り名を併記させろ、など紙の保険証に拘る政党がいくつも有ります。全部足しても支持率は１０％以下なので、いずれ保険証との一体化は実現し、紙の保険証が無くなり医療費は減ることでしょう。
　最期に、MNCの顔写真は、はパスポートと同様に１０年間使います。出来る限り丁寧に気合を入れて撮りましょう