羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

外国人移民無しの、人口減少対策について (新日本2100計画 10)

 日本は、欧米が東欧諸国やアフリカからの移民を受け入れる20世紀末よりもずっと前の高度成長期の1960年頃から、中国と韓国から多数の移民を受け入れてきました。最近は東南アジアやトルコ、南米から多数の移民を受け入れています。幸いにも日本は移民の弊害は大きくは有りませんが、北欧諸国や米国は移民の犯罪が問題化しており、今回はこれを取り上げます。
 さて、日本は2022年には80歳以上が1196万人で全体の9.5%、ベビーブーマ世代の65歳~79歳は2276万人で、定年後の合計は3472万人で27.7%です。一方、移民(法律的には登録外国人)として308万人の外国人が住んでおり、毎年10万人強が増えています。
 昔から日本は韓国と中国、アジア地域から移民を受け入れてきましたが、日本人の2.6%にすぎず、一部の治安悪化を除いて日本の産業と文化への影響力は有りません。しかし、2100年は人口が4千万人に減少し、現在の308万人から毎年10万人増えると、80年後の移民は人口の3割以上になります。ここまで人数が増えると、ドイツや英国、あるいは北欧諸国の様に、日本人の生活と文化だけでなく産業にも影響するでしょう。
 ここで外国人無しの状態を考えましょう。日本人の人数(人口)が3分1に減っても、1次、2次、3次産業の全てでランチェスターの二次法則で働けば、日本は現在の生産力を保つことが出来て、国力を維持できるでしょう。この結果、一人当たりの生産力が3倍になり、生活は楽になり治安の悪化や文化の崩壊が無くなり、平和で豊かな日本にすることが出来ます。つまり、外国人無しでも産業を維持し、豊かになります。ここでのキーポイントは、暗黙でも行える意思疎通です。

 具体例を挙げると、日本の農漁業の二次法則は、「明日から気温が下がりそうだから、田んぼの水を深くしておけや」と村の長老が言えば、若者達は村の水路のゴミをさらい、お年寄りの田んぼの水の調節をし、ついでに水漏れがないかチェックします。漁村では、お年寄りが「台風があっち側を通るから、船はこっち側に繋いで台風の準備をしておけや」と伝える、など実は近代の農業と漁業は、気配りと称する歴史的な知識に古典的な予測を加えて、高度な情報交換を的確に行なっています。
 ですから、村に新人が来た時は、協力体制を築かなければ本人も村人も困ります。しかし、日本人であれば、村祭りに参加して協力することや、隣のご老人の病院への付き添いなどを行うことで、村社会に溶け込むことが出来るでしょう。この様な組織的な行動は、移民でグローバル化すると継承できません。
 そこで2100年に備えて、意思疎通が難しい外国人移民には受け入れ条件を厳しくして、毎年の帰化と永住の人数を制限し、移民の人数を現状の308万人から4千万人の0.5%の20万人に抑えることを提案します。
 これはコロニーの様な治外法権の地域ができないようにすることと、外国文化の日本浸透を防ぎ高い労働効率で働くためです。現在の39人に一人いる外国人を200人に一人と5分の1に減らし、外国人移民の移住許可を、現在の年10万人から600人にまで減らすことにします。この移民制限措置は国内問題であり国際問題ではなく、ビザの就労条件を厳しくすることで実施可能です。
 移民を制限するのは、肌の色や眼の色の違いではなく、目的は日本の労働の質を二次法則に高めるためで、次が日本文化を守ることです。これは、移民してきた人々は、出身国によって宗教や家族感が異なるからです。成人してから日本に来たのでは、たとえ表面的な理解が出来ても、大事なことは文化的な家庭内の伝承の中に在るため理解できないでしょう。親や祖父母から教えられ友と共に学んで、幼い時から日本人の文化の中で育つことが必要です。
 たとえ外国人でも、幼稚園時代から日本に住み、日本人の宗教感や機微を理解し、意思疎通ができるようになります。この点、欧米式のそれぞれが独自の文化を強調する“多文化共生”という条件下では、意思疎通は出来ないということです。
 日本にとって望ましい若い外国人労働者とは、日本で仕事を学びお金を貯めて元気なうちに母国に帰って新生活を築いてくれることです。しかし残念なことに、日本でできる仕事は単純労働で、帰国後その経験を基にした起業ができず、日本は彼等から収奪していることになります。こんな将来であれば、若い外国人には、日本に来ても良い経験にはなりませんよ、とはっきり言ってお断りすべきです。
 それでも、現在の外国人就労者308万人の内で、高度専門知識あるいは特定技能の資格を持つ外国人は約4万人います。2100年では約20万人に減った外国人滞在者の内で、これらの資格を持つ人々が多数残って日本文化を理解して協調できれば、専門職あるいは管理職として2次産業あるいは3次産業で活躍できるでしょう。これらの人々から直接受ける外部からの刺激は貴重です。上手な付き合い方を考えられると良いのですが。

 最後に現在移民問題で困っている国々の情報です。20世紀末の四半世紀前に、多文化共生と称して移民を多く受け入れた北欧のリベラルな国々は、東欧やアフリカからの移民に寛容でした。
 しかし、21世紀に入るとスウェーデンは福祉タダ乗り目当ての移民とボート難民が増得ました。リベラル政権は彼等を受け入れ、彼らの不法行為を文化の違いとして容認し、帰化を許したために犯罪者を母国へ送還できなくなりました。現在、犯罪組織に属する数は日本の10倍に達しており、消防や警察は移民コロニー地域に入って行けずコロニーは治外法権となっています。このように、現在の法では外国人の犯罪に対処できなくなり、EUで最悪の犯罪多発国となっています。
 ただし、2022年秋の選挙では移民推進の左派が負けて、保守派は不法外国人に対して強い態度に出ようとしていますが、法的には帰化して市民権を持つ元移民をスウェーデン人と区別することはできません。元に戻すことはできないでしょう。
 デンマークは2015年当たりから移民の持つ高価な品物を没収して、彼らの生活費に充てています。さらに難民申請を却下されたが母国に犯罪歴が有るために、母国が送還を受け付けない移民を、脱出不能の孤島に送り込みます。これは一見過激な処置と思われるかもしれませんが、増えすぎた外国人犯罪者を扱いきれなくなったためで、母国へ帰れるまで島で世話をするとのことです。島送りの該当者は今のところ100名程度とのことです。
 これらを見習って、ドイツ、英国の国民も厳しい移民政策を目指しています。フランスではイスラム教徒の衣装を禁止し、宗教的な制限を行っています。しかし、このキリスト教的な対処方法は、紛争を起こすだけで抜本的な策では有りません。
 米国は民主党とバイデン大統領が国境の壁を開放する政策をとっているため、不法移民の入国に悩むテキサス州の共和党知事が、ニューヨークやワシントン、シカゴ市にバスに不法移民を乗せて送り届けています。この結果、民主党の知事は財政危機に陥り、国境の壁に賛成しています。さらに、南米のエクアドルなど3カ国へ行き移民を送り込まないで、と事実上の移民拒否の交渉をしています。バイデン大統領も現在は国境の壁の再建して外国人の入国を制限しています。
 この様に、世界中の先進国で移民を拒否する動きが起きています。今のところ、日本は制限をしていませんが、2100年のために今後はビザ発行数の制限をすべきです。そして、移民として受け入れられるのは、実績から英、米、イン人ドだけで、それ以外の国に対しては、人数制限をするべきです。帰化は全ての外国人に原則認めず、犯罪を犯した時には母国への強制送還を可能にしておきます。
 以上、スウェーデンやデンマークの失敗に学んで、日本は現在の厳しい帰化条件を緩めてはなりません。その際、宗教が違うことを理由にせず、就労ビザ発行の際に語学や日本の小学校程度の試験を行い、犯罪歴の有無を調べて判断するのはいかがでしょう。
 そして、日本人は死ぬまで元気に働きましょう。次のブログは医療と介護の問題です。

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