羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

少子化対策は45歳以下を年功序列賃金にすること (新日本2100計画 16)

 これまで、少子化した日本は限られた国(英米印)と人数(4万人以下)以外の移民は認めない鎖国状態にして、日本人全員が働く安全で平和な国を創る提案をしてきました。今回は、出生率2.2を目指す若年者向けの給与制度を提案します。
 今から80年後の西暦2100年、日本の人口はこのままでは3千8百万~6千4百万人ですが、この人口減少を止める合計特殊出生率(以下出生率)の目標値を2.2として、人口を4千万人に安定化する提案です。
 現在の出生率1.2の原因は、若者が子供を産んで育てる気になれないからです。若い夫婦が子供をつくる気になるには、当座のお金をもらうよりも、経済が発展して保証された昇給による安定な生活と平和な社会を感じることではないでしょうか。これらは国家的な政治の責務であり、地方自治体の労働局が行う育児奨励金や保育園の充足の様な小さな問題ではありません。結論から言えば、彼らが安定と将来性を感じるには、給与体系を年功序列に戻して45歳まで毎年5%の昇給を保証することです。
 若者に少子化対策費としての年率5%昇給の待遇を与えるには、政治、役所、そして国民も、全員が協力して社会全体を豊かにして、インフレ率を差し引いた実質GDPが毎年1%以上増加することです。政治と外交の安定化には日本の食料自給率を100%にすることです。日本の1次産業、すなわち農漁業は歴史的に積み上げられた高い労働効率を誇っており、現在の体制を維持することで実現できます。
 さらに、2次3次産業のコア業種は、労働者間の意思疎通が円滑で、これもランチェスター原理に基づく労働者数の2乗以上の高い労働効率を達成してします。ところが、これら1、2、3次産業は近年増えている移民によって、意思疎通が滞り、治安や医療福祉費などの経費が増え、労働効率は1次法則と悪く、社会資本を浪費しています。
 そこで、外国人ではなく日本人が働き、日本の産業の社会効率を高めたいのですが、日本人の人的資源はすでに尽きています。そこで、これまでは年金生活で生産活動をしていなかった高齢者が働き、生産活動に参加して社会を豊かにする、少子化対策に協力してもらいましょう。
 高齢者に働いてもらうには、社会が高齢者向けの低レベルの働き場所を用意すること、GDP増によるインフレで年金が目減りすること、そして人口減少が現実であり高齢者が働くことが当たり前、と社会的な意見が醸成されることです。この結果、日本社会の生産力が増えます。さらに、産業が高齢者を入れた労働形態へと変化すれば、若者は高齢者から経験を習得して労働効率が良くなり、賃金も増えるでしょう。
 国家にとって、給与体系の年功序列制は経験不足の若者の雇用と育成を、投資として考えることができます。現行の成果評価による賃金制度は、評価の間隔が短ければ経験の蓄積や将来への開発が評価できず、逆に評価の間隔が長ければ1回の失敗が長く尾を引きやる気を失う、という弊害が有ります。つまり、成果給方式では、経験の蓄積ができず新技術、新商品を開発する経験ができず、若者を育てるには向きません。

 そして最も大きな課題は、評価する上司全員に善良な資質を期待できないことです。もし上司の質が悪ければ、自分は働かずに仕事を部下に丸投げして、結果を自分の手柄にするでしょう。悪貨は良貨を駆逐する、で会社全体が悪い方に引っ張られて踏み台にされた若者は子供を作る心理的余裕が無くなります。「社畜」という言葉が有るように、若者は上司のパワハラの被害者となり、成果給制度は少子化の元凶です。
 この悪習を壊すために、賃金体系を改めて45歳までは年功序列で給与を決め、それ以後は成果で評価をします。年功序列でも有能な若者にはボーナスでやる気を評価できます。これにより仕事も覚えて、若い夫婦は安心をして子供をつくる気になるのではないでしょうか。
 この制度では、20歳から働き始めて5%の昇給を続けると、35歳で給料は2倍になり、夫婦のいずれかが長期休暇をとって育児に関わることが出来ます。さらに定期昇給の終わる45歳で給与は初任給の3倍となり、子供により多くのお金をかけることが可能になります。年功序列給与制は少子化対策費であり、若者育成の効果からも一石二鳥です。
 ただし、何をするにも財源が必要です。年功序列給与に必要なのは経済が発展することです。ただしGDPが1%増では5%の昇給には不足でしょう。そこで、60歳以上の高齢者の給与の減少率を5%以上にして財源を創り出します。勿論、高齢者が自主的に新規事業を始めるなどで、収入を増やすことは大賛成です。
 この様に、年金生活で時を過ごすだけとなっていた老人たちが働けば、永年の彼らの知恵と知識は人数分以上の生産性が有り、後世に伝えることが出来ます。高齢者は働き方のツボを知っているので、ゆるゆると働いても十分な力となるでしょう。高齢者の皆さん、是非とも現役に復帰して若者達を助けてあげてください。

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