1ヶ月と1週間の短命石破内閣、次の首相はだれ?
9月27日に行われた自民党総裁選挙では、高市早苗候補が惜敗しました。選挙後すぐに石破新総裁は、マスコミとのハネムーン期間を利用しないで、10月1日に首班指名で総理大臣となり、9日に解散、15日に衆議院選挙を告示し、総裁選から1か月後の27日に総選挙を決めてしまいました。
さて、この総選挙は拮抗する石破派と高市派の議員が、それぞれどれだけ当選して残るかが、選挙後の石破派対高市派の権力闘争に影響します。総裁選で石破候補に投票した議員の構成は、20名程度の石破応援の議員+岸田派・森山派・菅義偉派の議員と公明党からの選挙支援を条件とする選挙に弱い議員達です。他方、高市候補に投票したのは、30~40名の高市応援の議員+麻生派と反石破の公明党の応援が不要の議員達でしょう。こうしてみると、両候補の政策に賛成して投票をしたのは合わせて50名余で、残りの約300名は派閥の都合と、選挙のための国民の人気と公明党の協力などを考えた、打算で決めたと考えられます。
掌返しの異名が付いた石破新首相は、次々と前言を翻して10月4日の所信表明演説では、感想文の様な演説を行いました。7日の各党党首の所信表明、8日は与野党で合意されている緊急の法を成立させ、9日に解散をします。この成り行きを、自民党支持であった保守系の人々は苦々しい思いで観ています。
そして、僅か2週間後の衆議院議員の総選挙で、もし自民党が過半数を超えれば、石破内閣は形式だけの首班指名を行い、そのままの内閣で延命できます。しかし、これまで自民党に投票してきた有権者の内で3割の岩盤保守層は、自分達の投票活動で自民党を大敗させて左翼思想の石破首相を辞任させることを考えており、もし自公連立政権が過半数以下にできればこの願いが叶います。
もし過半数割れするならば、自民党は政策が合う党と連立を組むことになりますが、他党の合意を得るには総選挙後に行われる国会の開催前に、選挙の敗因となった石破氏以外の総裁を選んで内閣の体裁を整えて、連立する他党を選んでおく必要が有ります。つまり、11月の第1週の内に現内閣を総入れ替えして、再度の総裁選と組閣、そして他党との連立の合意と協力の条件の締結、を行わなければなりません。
この総裁再選挙は、石破派+菅派+岸田派対高市派+麻生派+無派閥の争いとなり、派閥を持ち3年の実績で再度総裁を狙う「国民総スカン」の左派岸田元首相に、情熱の保守の高市議員が一騎打ちを挑みます。麻生太郎氏に総裁の声も有るかと思いますが、男気の麻生氏は強く高市氏を推すでしょう。高市氏にはすでにSP(警護)が付いており、党内の風を読める立場の警察が先を読んでいます。そして総裁はこの時点での岸田派と高市派の議員数で決まります。
この見通しから、現在行なわれている自民党内の全ての活動は、この総裁選に向けた自民党内の多数派工作です。岸田元首相は総裁選直後に石破総裁の能力を見限っており、10月1日の組閣の段階では総裁選体制として、予め森山裕議員を幹事長として送り込んで幹事長が決裁できる潤沢な党の裏金を使って、自派の選挙運動を支援します。次いで、菅派から小泉進次郎議員を引き抜いて選挙対策委員長として自派を応援させ、高市派の議員の選挙妨害工作をします。
しかし、岸田元首相の見込み違いの一つは、石破総理が自分や内閣のボロが出ないように、就任後わずか1カ月での総選挙を決めたため、妨害工作をする猶予の時間が無く、今のところ高市派の議員が選挙区と比例代表に重複立候補できない様にした程度しか妨害が出来ていません。
その上、そもそも重複立候補が必要なのは選挙に極端に弱い石破派の議員であり、たとえ重複立候補が許されても、今回の選挙での比例代表の票は自民党では無くて日本保守党に投票されるので、重複の効果が有りません。さらに、高市支持で公明党の選挙協力無しでも良い、とした議員は選挙区で当選できる実力が有ります。
後見人となった麻生副総裁の助言により、高市氏は総選挙までの期間を自派の議員に選挙の応援をし、石破派の議員を引き剥がします。加えて、目覚めた自民党の岩盤支持層によって、石破派議員の選挙区票は前回よりも3割減り、野党が有望な対立候補を立てれば、たとえ公明党の票が有っても石破派議員は落選の可能性が大きくなります。
最後に私たち有権者がどの様に選挙に参加するかです。まず、候補者が石破派か高市派かを見分けるのは方法です。今回の選挙では、ネット情報でその候補者がどの派であるかを見分けられます。そして、選挙ポスターに本人と一緒に誰かの写真を載せてあれば、石破派、小泉派、高市派が分かります。なお、石破派議員は自分が石破派であることがバレると岩盤保守層の3割が減るので、一人ポスターにした隠れ石破派ポスターを使うでしょう。ポスターが高市氏と一緒、あるいは比例代表のリストにない議員は高市派です。こうして、自民党支持の有権者はだれに投票するかお決めになれば良いでしょう。
さらに、高市議員を過激な右翼と言う数%の有権者は元々立憲共産党に投票するので、その言葉を無視します。
大事なことは自民党が過半数割れにならなければ石破退陣が起こらないので、小選挙区で意に染まない自民党議員には投票しないことです。次に、次に比例代表の上位には左派の石破派の議員を並べてあるので、彼等が当選しないように比例代表の票を自民党以外、ここでは日本保守党に、入れておけば、日本に益の無い石破派議員の当選を防ぎ、保守主義の議席を増やす二重の効果が有り、票を捨てたことにはなりません。
ただし今のところ、日本保守党は党の特色を出すために、選挙後も自民党と連立を組むことは無いでしょう。これはこれで独立した保守政党を育てることになるのと、左派議員がいなくなった自民党は保守中道となって日本には良い事だと思います。ただし、自民党議員は体質的にポピュリズムに走るので、保守党からの監視が必要です。
結果として、過半数割れでも選挙に強い議員で構成される自民党は、第一に、左派の公明党と選挙協力する必要が無くなることです。これにより、親中政策の影響を受けなくなり、国土交通大臣の職を失って数兆円の予算を合法的に創価学会に回すことが出来なくなる結果、以後の党勢は衰微します。連立先としては、維新の会と国民民主党との連立で保守中道政権を実現することを期待します。