羽根邦夫Blog

”工学博士、電磁波対策製品WAVESAFE発明者のブログ”

米国の政争は、グローバリズムとナショナリズムの戦い

 第2次世界大戦の終了までの米国は、共和党が資産階級、民主党が労働者階級の、それぞれから支持を受け利益代表者として政治活動をしてきました。しかし現在、これら2つの政党は支持者が変わり、政策と活動は180度変わりました。原因は共和党の筆頭支持者のユダヤ系資本が共和党から民主党へ乗り換えたためです。
 バラク・オバマ元大統領の支配する現在の民主党は、リベラリストと呼ばれる左派と極左の議員であり、党と議員の資金源は多国籍の大企業や軍需産業とユダヤ系の金融資本です。さらに、金融資本が支配するマスコミからの支援と協力を使って米国社会に影響します。この資本、政党、マスコミの3者の頂点がエスタブリッシュメントと呼ばれる人々です。
 選挙において、民主党の大統領や国や州の議会の議員たちは、左翼思想の文化人と、移民や黒人、ヒスパニックやLGBTQなどの、社会に溶け込めない弱者たちからの投票に頼ります。選挙に重要な世論形成には、マスコミが世論を作り、賛同する左翼思想の有名芸能人や文化人が協力します。平時においては、大統領や議員達の政治活動は、弱者集団に補助金を与え、エスタブリッシュメントとマスコミに有利な法律を作って支援への代償を払います。
 この結果、現在の民主党は、収入が上位数%の最上層のエスタブリッシュメントの利益のための政党であり、彼等のために多国籍の大企業向けに国境を無くして関税や、資金や人材の移動に協力します。この国境を越えた経済活動と多国間の連携がグローバリズムで、民主党は大きく広い国境を望み、統治が楽な全体主義を目指します。EUの共通通貨や国境を無くし相互に防衛する関係などは、実際にグローバリズムを実現したものです。
 民主党は、巨大企業へ権益を提供してエスタブリッシュメント層へ勧誘します。例として、バイデン大統領は単年度で10兆円を超えるウクライナ支援を行っており、これが軍需産業を潤します。戦争の初期のバイデン政権は、ロシアからの核報復を恐れてロシア領内への直接攻撃を禁止していたのが、最近は攻撃を認めています。これに対して国防省の現役軍人は。無人機攻撃に反対をしていますが、退役した5人の大将を含む高官たちが軍需産業に就職してからは、無人機攻撃に賛成しており、実際にウクライナ軍はロシア領内やモスクワを攻撃しています。

 これらの民主党のグローバリズム政策を始めたのがクリントン大統領で、体系として完成したのがオバマ元大統領で、ジョー・バイデン現大統領が引き継ぎました。次の引き継ぎ役としてカマラ・ハリス副大統領が選ばれたのは、黒人で女性と言う弱者であり、無能で党とオバマの言うなりになることから担ぎ出されたわけです。
 米国内で民主党が進めてきた統治方法の典型はProp-47法の施行で、約10万円以下の窃盗を無罪とし、それを越えた犯罪でも2回までは許すもので、麻薬の合法化とあわせて治安悪化の原因です。さらに、不法移民に在留権と選挙権をあたえて低賃金労働者を増やしたことが、かえって米国人の失業者を増やしています。さらに、中産階級には住宅購入費などの補助金をジャブジャブ与え、金利を低いままにして市場に流通するお金を増やしてインフレを悪化させ、社会に不満を蓄積させています。
 そしてこれらの政策の結果として、国民の生活をインフレと治安悪化で荒らしても、貿易は順調で大企業の収益は減りません。つまり、グローバリズム政策では庶民の生活は低下し、多国籍企業と経営者には富が集中して格差が生まれます。

 次に共和党です。現在の共和党の支持者は資産階級ではなく、キリスト教を信奉する中産階級の労働者やサラリーマンなどです。彼等が資金と選挙の票を提供し、党は彼等のための法律を作ります。
 共和党の議員達は2つに分かれ、大部分の議員は保守思想のドナルド・トランプの国内産業の振興政策をとる、Make America Great Again MAGAを標榜しています。共和党の残る一部は個人的なトランプ嫌いと、収入を金融業や大企業から得ている民主党と同じの、Republican in Name Only RINOの議員です。
 トランプに指導されるMAGA共和党は中産階級のための政党なので、政治の目的は米国民の繁栄であるAmerica First(アメリカ第一)となります。また、中産層の国民は必要で十分な教育を受けており、自主的な生産や行動が判断できて身の丈を越えた消費をせず、働くことができれば政府の助けが不要なので、小さな政府で済みます。さらに、米国民の利益を追求する政策は、国内の企業や文化を重視する反グローバリズムであり、生活が安定して富の集中は進みません。
【まとめ】
 この様に民主党は左派でグローバリズム、共和党は保守でナショナリズム、と米国の政治ははっきりと二分されています。そして、現在の米国で問題なのはインフレと失業者増ですが、ハリス大統領と民主党は大きな政府を作って統制を強め、国債を売った金で補助金政策を行うことがインフレを悪化します。また、選挙を移民に頼る民主党の移民優遇政策は、白人の失業者を増やし、不法移民の増加は犯罪を増やします。
 トランプ共和党が主張する脱炭素運動の廃止は、工業生産を簡単化して製造コストを下げ、再開する石油採掘は全ての産業の原料費を下げて産業は活発となります。この結果、商品の供給量が増えて価格を下げ、市場は活性化してインフレが終わります。さらに、移民の流入を止め産業を活発化させる政策で、失業者は減ります。
【今後】
 今回の大統領選挙では、2つの勢力が争い議論していますが、支持者達が共通の価値観を持たないので、議論をしても落としどころを作れません。つまり共和党の支持者は保守的な米国の基礎教育を受けた白人ですが、民主党支持者の有色のアジアや南米の人々は生活習慣と基礎教育の内容が異なります。その上に、白人キリスト教徒と有色のイスラム教徒では、教義と価値観が違います。従って、この両者の間に共通する項目が無く、トランプとハリスのどちらが勝っても国内は2分して争いは続くことになるでしょう。
 さらに、この民主党のグローバリズムと共和党のナショナリズムの戦いは、反移民運動を中心にして欧州各国にも広がっています。EUはこれまでグローバリズムが主導していましたが、最近は伊仏英で反移民のナショナリズムが主導権を持ちつつあります。
 日本では、左派政党が重視する福祉や少子化対策などを実行する各種NPOが乱立しています。これらは医療費や福祉費、少子化対策費などの合計40兆円を原資とした利権で、いわゆる公金チューチューと呼ばれる仕掛けを作っています。
 これは、米国民主党がエスタブリッシュメントに数10兆円の国家予算を横流しするのと、方法は全く同じですが、日本の場合は左翼活動に資金を供給する程度で米国に比べれば可愛らしいものです。しかしもし、この仕掛けを金融資本やジョージ・ソロスのような左派資本家が活性化すれば、巨額の予算を横流しする構造にされる危険が有ります。
 すでに米国民主党は“神輿に乗せるのに楽で軽い”岸田前首相に続いて石破氏が総理大臣となり、左派が好む大きな政府を作って米国と同じ陰謀を起こす危険が有ります。しかし幸いにも、石破首相は軽すぎて就任1ヶ月を持たずに総選挙で吹き飛ばされて、自民党は再び総裁選になりそうです。立候補者の中では、唯一高市早苗氏だけが反グローバリズムですが、反石破・岸田の議員数が少なければ岸田前首相が総裁選に勝って、微中のグローバリズム政府を続けるかもしれません。この結果、米国の様に国内が2分されることは有りませんが、自民党は分裂し政界は再編するかもしれません。

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