老舗の天ぷら屋、神保町「はちまき」
私の親友は、「新橋橋善」を継いで江戸前の天ぷらを庶民的に食べさせてくれました。しかし、残念ながら170年の老舗を調理人不足で閉じることになりました。近所に池田弥三郎氏の「天国」があり、そちらのお客を取られたことも有るでしょう。もし、彼が店を4分の1以下にして江戸の味を伝える天ぷら専門店に改築したら、今でも新橋橋善は継続していたと思います。お座敷天ぷらとは違って、格式張らないてんぷらは絶品でした。

さて、橋善の味を懐かしむ私がお進めするのが、神保町の三省堂の裏の「はちまき」です。この店は、江戸川乱歩が贔屓にして「東京作家クラブ」の集会も行われ、お店には当時の写真も貼ってあります。店に入るとオープンの調理場で職人さんが数人で調理しており、客席は33席とのこと。5~10分で注文が届きます。このお店はお座敷天ぷらと違って、橋善を想い出させてくれます。
天ぷら屋さんに行くと、お客さんの半分以上が天丼を注文されますが、私は同じ値段の天ぷら定食を頼みます。濃いめのたれがかかって、ご飯も天ぷらも同じ味になっている丼よりも、さらっとした天つゆで白いご飯と天ぷらを別々に食べる方を好みます。これは好みの問題ですからご自由にどうぞ。平日ランチは天丼800円、と天ぷら定食1000円は、もう3割ほど値上げしても良いと思います。
はちまきを出たら、神保町の交差点をこえて坂の入り口の「古瀬戸」で古典的なコーヒーをお楽しみください。この店はいずれご紹介します。
