真鶴の魚屋のアジの干物
20代の後半に結核を患って、神奈川県真鶴町で半年近く病気療養をしました。この時良く食べたのがアジの干物です。真鶴は漁港で、地魚も有ったと思いますが、アジのたたきと干物ばかり食べていました。
干物は魚屋さんの自家製で、最近の真鶴や熱海の土産物屋で売っている生臭い機械乾燥ではなくて、ちゃんと天日干した太陽に香りのする干物でした。当時はこれが当たり前と思っていましたが、魚を切って並べる刺身や煮魚焼き魚に比べて、この様に手がかかる干物を食べられたのは幸運でした。

美味しい干物には沢山の気遣いが沢山とちょっとの手間がかかります。真鶴の魚屋さんの干物は、店の横で干したもので、真鶴漁港で仕入れた新鮮なアジを使ってしっかりと干してありました。機械で乾燥した干物は生臭さが残っていていけません。隣町の熱海でも干物を売っていますが、熱海は観光地で真鶴程に整った漁港がありませんせんから、どこか別のところでとった魚を、機械乾燥した干物と思います。
真鶴の魚屋さんは、1畳くらいの大きさの干物を干す棚が有るだけで、干していたのは沿岸漁業の真鶴の漁船が採って来る地元の小魚だったでしょう。当時の真鶴は、観光地化していなかったので、舌の肥えた近所の住人向けに、本物の干物を造って売っていたのです。上の写真の様に生々しいのではなくて、きっちりと干してありました。結局は、作り手の顔が見える食べ物がおいしいのです。
私はまだ干物を作った経験がありません。しかし、新鮮な魚が手に入り天気が良ければ、何回か失敗を繰り返せば渋谷区でも美味しい干物を作る事が出来るはずです。現在病気療養中で大人しくしていなければなりませんが、病気が治ったらぜひ作ってお知らせしたいと思います。大事なことは晴天で風が有ることと、塩水の使い方です。真鶴の魚屋の本物の干物の作り方を再現したいです。
